食育を通じた健康づくり及び生活習慣病予防戦略に関する研究

文献情報

文献番号
200722057A
報告書区分
総括
研究課題名
食育を通じた健康づくり及び生活習慣病予防戦略に関する研究
課題番号
H19-循環器等(生習)-若手-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
荒井 裕介(独立行政法人国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム)
研究分担者(所属機関)
  • 大久保 公美(女子栄養大学栄養学部実践栄養学科)
  • 橋本 令子(和洋女子大学家政学部健康栄養学科)
  • 坪倉 もえ(日本女子大学家政学部食物学科)
  • 三好 美紀(独立行政法人国立健康・栄養研究所国際産学連携センター)
  • 廣田 晃一(独立行政法人国立健康・栄養研究所情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究では、若年層における生活習慣病予防、特に肥満予防を目的とした効果的な「食育」プログラム開発に資するため、「食育」のエビデンス構築を行うことを目的とした。
研究方法
 初年度(19年度)は、若年層、特に20、30歳代の男性を中心とした健康づくり及び生活習慣病予防、特に肥満予防を目的とした「食育」(ここでは「『食』に関する内容を扱った介入」と捉えた。)の取り組みについて、国内外の事例(文献)を体系的に収集し、系統的レビューを行った。また「食育」の活動が広がるなかで、都道府県における「食育」推進体制及び健康増進計画との整合性の状況等について質問紙調査等を行った。
結果と考察
主な結果は下記のとおりである。

・肥満予防、特に若年層における、栄養・食生活改善による科学的根拠が少ない。
・海外では、様々なチャネルを使い栄養・食生活改善を行う取り組みが行われており、
効果をあげた事例がある。
・都道府県においては、健康づくり・生活習慣病予防において、食育という手段をどのように
活用していくのか、一部では混乱を呈している。(方向性が定まっていない)
結論
各都道府県において食育推進計画が策定され、今後市町村においても食育推進計画が策定され、地域において健康増進計画等と相乗的、補完的に教育、農業、民間企業等幅広い関係者を巻き込みながら「食育」活動が展開されていくと考えられる。一方、多面的なアプローチにより、関係者の様々な方向性の相違により、「健全な食生活の実践」という本来の目的を見失ってしまう事も考えられる。さらに系統的レビューからも、これまで地域で行われてきた栄養・食生活改善に向けた取組の「効果」について、結果として十分な検証、蓄積が行われてこなかったかもしれない。今後は幅広い事例の収集を行い、食育を通じた健康づくりの「戦略」を明確にするとともに、食育活動をエビデンスとして蓄積していく取組についても検討を行っていくことが必要であると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-16
更新日
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