勤労者の健康づくりのための給食を活用した集団及びハイリスク者への対策に関する研究

文献情報

文献番号
200722021A
報告書区分
総括
研究課題名
勤労者の健康づくりのための給食を活用した集団及びハイリスク者への対策に関する研究
課題番号
H18-循環器等(生習)-一般-038
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
石田 裕美(女子栄養大学給食・栄養管理研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 中川 秀昭(金沢医科大学)
  • 由田 克士(独立行政法人 国立健康・栄養研究所)
  • 村山 伸子(新潟医療福祉大学)
  • 平田 亜古(お茶の水女子大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
15,640,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
職場給食は特定の利用者が継続的に繰り返し食事にアクセスし、かつ、食べる体験を通じて栄養情報にもアクセスできる場であることから、健康づくりのポピュレーションアプローチとして期待でき、さらにはハイリスク者への効果も期待できる。そこで本研究は、職場給食を食環境整備の一環として位置づけ、集団およびハイリスク者に対する健康づくり対策として職場給食を有効に機能させる仕組みを具体的に提示し、かつその有用性を検証することを目的とした。研究2年目は「給食を活用したハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチの有効性の検証」に重点をおいた。
研究方法
研究初年度に設定した4企業6事業所を調査対象施設に設定し、昨年度のベースライン調査の結果に基づき、それぞれの特性に応じた従業員食堂を活用した栄養教育介入プログラムを計画、実施した。ポピュレーションアプローチとしては、食環境プログラムの開発と検証を3施設で実施した。このうち1施設では、トランスセオリティカルモデルを集団に適応し、対象者の行動変容ステージの移行がすすむような栄養教育と食環境整備を平行させたプログラムを開発した。またコントロール施設を設定し、ベースライン調査を実施した。ハイリスク対策として、従業員食堂の食事を教材として健康管理と連携した栄養教育プログラムを用いて2施設で介入を行った。また、これらの研究の過程であがった共通の問題点である、健康づくり体制や給食運営との連携体制のあり方についてシンポジウムを企画し、東京と大阪の2会場で実施した。
結果と考察
今年度の研究により、緩やかであるが、提供する食事の品質をコントロールや、食べる体験と結びついた栄養情報の提供などの食環境整備と栄養教育を平行したプログラムにより、知識・態度・行動レベルの変化が確認された。また、カフェテリア方式の食堂を利用して、料理の組み合わせ方法や適正な量の選択方法を学習するプログラムにより、減量の成功の可能性が示唆された。シンポジウムでは合計522名の参加を得、健康づくりに従業員食堂をポピュレーションアプローチの場として活用できるよう、食環境を整備することの重要性を広く啓蒙することにつながった。
結論
従業員食堂を食環境として位置付け、提供する料理の品質や栄養情報を整備するとともに、これを活用した栄養教育を平行して実施することで、従業員の知識・態度・行動レベルの良好な変化の可能性が示された。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
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