地域保健における健康診査の効率的なプロトコールに関する研究

文献情報

文献番号
200722010A
報告書区分
総括
研究課題名
地域保健における健康診査の効率的なプロトコールに関する研究
課題番号
H17-循環器等(生習)-一般-014
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
水嶋 春朔(国立保健医療科学院人材育成部)
研究分担者(所属機関)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院技術評価部)
  • 大重 賢治(横浜市立大学医学部公衆衛生学)
  • 杉森 裕樹(大東文化大学スポーツ・健康科学部)
  • 佐藤 眞一(大阪府立健康科学センター健康度測定部)
  • 津下 一代(あいち健康の森健康科学総合センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域保健における健康診査の効果的・効率的な実施のため、健康診査項目等の適正化やエビデンスの構築、各ライフステージに応じた健康課題の抽出・検証といった疾病予防サービスの制度に関する研究、健康診査の精度管理に関する研究、健康診査の効率的なプロトコールに関する研究等を進め、疾病の早期発見のみならず、生活習慣病対策のリスクアセスメント対策の充実を図るための基礎資料として資することを目的とする。生涯を通じた健康づくりを推進していく上で、効果的・効率的な健康診査プロトコール(対象者、頻度、項目、測定方法、事後指導方法など)について提言し、スクリーニングによるハイリスク者の検出にとどまらない1次予防的な生活習慣の修正、ポピュレーション・ストラテジーとの最適な組み合わせ手法による効果的な予防医学のストラテジーの全体像を明らかにする。
研究方法
1.地域における健康診査受診率と外来・入院受療率、医療費に関する地域診断
2.複数年の健康診査データに基づく保健指導対象者の選定に関する検討
3.効果的な健診・保健指導プログラムに関する検討
4.病院が行う行動変容を目的にした生活指導がメタボリックシンドローム改善にもたらす効果
5.米国予防医学タスクフォースによるエビデンスと推奨度決定:改定方法論の概要
6.健診・保健指導の事業評価(効率性)に関する検討
7.保健指導実施者の資質・コンピテンシーに関する検討
結果と考察
上記1-7の研究の結果、非薬物療法による減量効果、薬物または非薬物療法治療による血圧、コレステロール、喫煙などのリスクファクターの軽減、ハイリスク集団における死亡率の低下が認められることは、既存の文献、報告などのシステマティックレビューで明らかとなった。さらに医療経済的な観点からの検討をすすめ、健診データとレセプトデータをリンケージさせた集団の追跡によって、効果的・効率的な健診・保健指導のプロトコールを開発、検証していくことが重要である。
結論
非薬物療法による減量効果、薬物または非薬物療法治療による血圧、コレステロール、喫煙などのリスクファクターの軽減が認められることが明らかとなった。効果的な健診や保健指導プロトコールは、対象集団の特性を十分把握した上で適用し、保健指導実施者の資質向上をはかることが重要である。医療経済的な観点からの検討をすすめ、健診データとレセプトデータをリンケージさせた集団の追跡によって、効果的・効率的な健診・保健指導のプロトコールを開発、検証していくことが重要である。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-

文献情報

文献番号
200722010B
報告書区分
総合
研究課題名
地域保健における健康診査の効率的なプロトコールに関する研究
課題番号
H17-循環器等(生習)-一般-014
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
水嶋 春朔(国立保健医療科学院人材育成部)
研究分担者(所属機関)
  • 一戸 貞人(千葉県衛生研究所健康疫学研究室)
  • 大重 賢治(横浜市立大学医学部社会予防医学教室)
  • 佐藤 眞一(大阪府立健康科学センター健康度測定部)
  • 杉森 裕樹(大東文化大学スポーツ健康科学部)
  • 津下 一代(あいち健康の森健康科学総合センター)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科健康情報学分野)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院技術評価部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域保健における健康診査の効果的・効率的な実施のため、健康診査項目等の適正化やエビデンスの構築、各ライフステージに応じた健康課題の抽出・検証といった疾病予防サービスの制度に関する研究、健康診査の精度管理に関する研究、健康診査の効率的なプロトコールに関する研究等を進め、疾病の早期発見のみならず、生活習慣病対策のリスクアセスメント対策の充実を図るための基礎資料として資することを目的とする。生涯を通じた健康づくりを推進していく上で、効果的・効率的な健康診査プロトコールについて提言し、スクリーニングによるハイリスク者の検出にとどまらない1次予防的な生活習慣の修正、ポピュレーション・ストラテジーとの最適な組み合わせ手法による効果的な予防医学のストラテジーの全体像を明らかにする。
研究方法
健康診査の効果的・効率的な実施のため、健康診査項目等の適正化やエビデンスの構築、各ライフステージに応じた健康課題、生活習慣の課題の抽出・検証を踏まえ、地域保健における健康診査の効率的なプロトコールに関して包括的な研究をすすめることを目的とした検討を行った。
結果と考察
地域保健において疾病予防サービスとしての効率的・効果的な健康診査を実施するために必要となるプロトコールや実施システムの検討をおこない、有益な知見を得ることができた。さらに現状の健診プロコールの検討のみならず、実施可能な効率的な健診プロトコールを検討することが必要である。さらに医療経済的な観点からの検討をすすめ、健診データとレセプトデータをリンケージさせた集団の追跡によって、効果的・効率的な健診・保健指導のプロトコールを開発、検証していくことが重要である。
結論
地域保健における健康診査と保健指導の効果的・効率的な健康診査プロトコールを実証的に検討し、ハイリスク者の検出にとどまらない1次予防的な生活習慣の修正に視点をおいた効果的な予防医学のストラテジーの全体像を明らかにするための有益な検討をすることができた。さらにモデル的な健診プロトコールを作成し、モデル地域における介入試験を計画をすすめていく必要がある。効果的な健診や保健指導プロトコールは、対象集団の特性を十分把握した上で適用し、保健指導実施者の資質向上をはかることが重要である。医療経済的な観点からの検討をすすめ、健診データとレセプトデータをリンケージさせた集団の追跡によって、効果的・効率的な健診・保健指導のプロトコールを開発、検証していくことが重要である。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200722010C

成果

専門的・学術的観点からの成果
(1)健康診査のプロトコールを検証するための健診受診頻度、実施方法と健康アウトカムの関連に関する前向きコホート研究、(2)地域保健における効果的・効率的な健康診査のプロトコール(対象者、健診項目、測定方法、事後フォロー方法、受診頻度、行動変容のための行動科学的なアプローチ方法)に関する検証、再構築に係る研究などを有機的に展開し、地域レベルで疾病予防サービスとしての効率的・効果的な健康診査を実施するために必要となるプロトコールや実施システムの総括的評価、再構築に関する研究成果を得た。
臨床的観点からの成果
メタボリックシンドローム改善プログラムに参加した84人に対し、2泊3日の教育入院とその後6ヶ月間の外来通院での生活習慣改善指導をしたところ、38人(45%)が前値5%の体重減少を達成した。6ヶ月のプログラム完了者では体重が4.5kg(5.7%)の有意な低下を認めた。その結果、内臓脂肪面積が19%減、HDLCが18%増加、中性脂肪25%減少、75g糖負荷試験2時間値16%低下、血圧6%低下と有意に改善した。
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
国立保健医療科学院における地方自治体、各医療保険者代表者、関連団体を対象とした生活習慣病対策健診・保健指導に関する企画・運営・技術研修を実施した。厚生労働省との連携によって、特定健診・特定保健指導実施機関のデータベースを構築して、国立保健医療科学院のHPにて公開した。
その他のインパクト
該当なし

発表件数

原著論文(和文)
4件
原著論文(英文等)
12件
その他論文(和文)
8件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
51件
学会発表(国際学会等)
5件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-10-07
更新日
-