進行期難治性B細胞リンパ腫に対する大量化学療法を併用した効果的治療に関する臨床研究

文献情報

文献番号
200721067A
報告書区分
総括
研究課題名
進行期難治性B細胞リンパ腫に対する大量化学療法を併用した効果的治療に関する臨床研究
課題番号
H19-がん臨床-一般-027
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
森島 泰雄(愛知県がんセンター中央病院)
研究分担者(所属機関)
  • 小松 弘和(名古屋市立大学病院)
  • 朝長 万左男(長崎大学医学部)
  • 笠井 正晴(札幌北楡病院)
  • 張 高明(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 鵜池 直邦(国立病院機構九州がんセンター)
  • 小椋 美知則(名古屋第二赤十字病院)
  • 渡辺 隆(国立がんセンター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
24,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治再発ハイリスクのびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)とマントル細胞リンパ腫(MCL)の初回治療症例を対して、治療強度を強めた導入化学療法と自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(APBSCT-HDC)を確立することを目的とする。
研究方法
再発ハイリスクのびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)とマントル細胞リンパ腫(MCL)の初回治療症例を対象として、日本臨床腫瘍グループ、リンパ腫研究グループ70施設における多施設共同臨床試験を実施する。
結果と考察
1) 未治療MCLに対して、rituximab併用寛解導入療法(R-highCHOP、CHASER)+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)の臨床第Ⅱ相試験のプロトコールを完成した。主要評価項目はである。必要症例数は、閾値2年無増悪生存割合を30%、期待2年無増悪生存割合を50%とし、予定登録数は45例とした。2) 初発進行期かつ国際予後指標(IPI)高リスク群DLBCLを対象として、rituximab併用寛解導入化学療法+LEED療法を標準的治療として確立するため、導入化学療法であるR-biweekly CHOP療法(A群)とR-biweekly CHOP/ CHASER療法(B群)のランダム化第Ⅱ相試験を計画し、臨床プロトコールの作成をほぼ完了した。方法は、step Iの導入化学療法として、無作為化割付後、R-biweekly CHOP療法を6コース(A群)もしくはR-biweekly CHOP/CHASERを各3コースの計6コース(B群)を実施し、PR, CR症例に対しStepⅡとして自家末梢血幹細胞移植併用の大量化学療法(LEED療法)を実施する。主要評価項目は、登録時からの2年無増悪生存割合とした。必要症例数は、Simonの選択デザインに基づき、有効性が低い方の治療群での2年無増悪生存割合が65%で、高い方の治療法がこれを10%以上上回っていた場合に、良い方の治療群を正しく選択する確率を80%以上とすると各群それぞれ30例、計60例が必要となる。目標症例数は両群合わせて70例とした。3)分担研究者の各施設において、悪性リンパ腫を対象として末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法、ならびに化学療法に関する初期臨床試験と臨床経験を集積し、二つの臨床試験のプロトコール作成の基盤とした。
結論
このDLBCL及びMCLの予後は不良で、治癒率の向上が示唆され、標準療法となりうる効果的で安全な導入療法の確立が期待される。

公開日・更新日

公開日
2008-11-19
更新日
-