がん治療のための革新的新技術の開発に関する総合的な研究

文献情報

文献番号
200720038A
報告書区分
総括
研究課題名
がん治療のための革新的新技術の開発に関する総合的な研究
課題番号
H19-3次がん-一般-023
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
西條 長宏(国立がんセンター東病院)
研究分担者(所属機関)
  • 伊丹 純(国立国際医療センター)
  • 荻野 尚(国立がんセンター東病院臨床開発センター)
  • 角 美奈子(国立がんセンター中央病院)
  • 渡辺 俊一(国立がんセンター中央病院)
  • 伊関 洋(東京女子医科大学先端生命医科学研究所)
  • 小林 寿光(国立がんセンターがん予防・検診研究センター)
  • 山崎 直也(国立がんセンター中央病院)
  • 佐野 武(国立がんセンター中央病院)
  • 藤元 博行(国立がんセンター中央病院)
  • 森谷 宜皓(国立がんセンター中央病院)
  • 木下 平(国立がんセンター東病院)
  • 野村 和弘(東京労災病院)
  • 中面 哲也(国立がんセンター東病院臨床開発センター)
  • 平家 勇司(国立がんセンター中央病院)
  • 藤原 俊義(岡山大学医学部・歯学部付属病院 遺伝子・細胞治療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
114,023,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高精度の陽子線治療を行うことにより治癒率・QOLの向上を目指す。放射線治療計画による治療精度向上を行う。肺がん患者に対するラジオ波熱凝固療法を開発する。術中MRI画像を用いたナビゲーション技術を導入することによって過不足のない摘出を行う。胃がん・大腸がん・膵がんに対し合理的手術療法を導入する。生物学的治療を実施するとともに至適併用方法を明らかにする。
研究方法
BOLPsを利用したDGPTの臨床利用とそのデータ解析・線量計算アルゴリズムの開発を行う。放射線治療照射野の架台の体重による変化、呼吸性移動を制御する装置を開発する。肺がん患者に対しラジオ波熱凝固療法の安全性、効果を検討する。
インテリジェント手術室および光学式ナビゲーションシステムにより高精度の脳腫瘍摘出術を開発する。根治性が高く侵襲の少ない手術を行うため、高精度MRI、センチネルリンパ節同定、等を行う。
進行肝がんに対するGPCワクチン療法、造血器腫瘍等に対するWT-1ワクチン療法、腎がんに対する細胞療法を行う。テロメライシンの臨床試験を行い放射線との至適併用法を開発する。
結果と考察
陽子線照射による体内原子核の破砕反応により生成されるポジトロン放出核の活性測定により照射領域を確認するbeam on-line PET systemを開発した。腫瘍に計画通りに陽子線が照射されているかを確認できた。
放射線治療計画装置と治療装置における呼吸周期システムと撮像条件の検討を行った。呼吸停止が困難な症例でも正確な治療計画が可能と示された。
5-ALAと光線力学的診断と術中MRIの併用で悪性脳腫瘍の5年生存率を42%まで向上させた。
ラジオ波凝固治療の合併症として気胸に対するドレナージ、硬膜外麻酔の必要な胸痛が経験された。
骨盤壁に浸潤する局所再発がんに対する仙骨合併骨盤内臓全摘術を85例に対し行った。5年生存率は50%以上であった。
αGalCer+IL-2刺激リンパ球培養に適した培養液およびバッグを開発した。
末梢血中のがん特異抗原(GPC3、HSP105)特異的CTLの最適な検出法を確立した。肝細胞がんに高発現するGPC3を標的とするワクチンの第I相試験を開始した。
テロメライシンは放射線照射と相乗的に抗腫瘍活性を示した。放射線照射がアデノウイルスの感染効率を向上させた。
結論
がんに対する手術療法、放射線治療、生物学的治療の開発と最適化を行い、これらを併用する理想的集学的治療を開発することはがん治療成績向上に貢献する。

公開日・更新日

公開日
2008-05-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-01-22
更新日
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