情報工学等の連携による国民・患者のリテラシー向上に関する研究

文献情報

文献番号
200720015A
報告書区分
総括
研究課題名
情報工学等の連携による国民・患者のリテラシー向上に関する研究
課題番号
H18-3次がん-一般-012
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
中田 善規(帝京大学 医療情報システム研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 澤 智博(帝京大学 国際教育研究所)
  • 佐藤 章(福島県立医科大学)
  • 宮腰 重三郎(東京都老人医療センター)
  • 小松 恒彦(帝京大学 ちば総合医療センター)
  • 中村 利仁(北海道大学 医学部)
  • 田中 祐次(東京大学 医科学研究所)
  • 山口 拓洋(東京大学 医学部附属病院)
  • 湯地 晃一郎(東京大学 医科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
21,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、患者の視点に立ち、情報工学等を利用した医療情報伝達の利点・問題点を明らかにし、医療に関する正確な情報が容易に入手できる情報ツールの開発を目指す。
研究方法
(1)がん患者の情報開示に関する研究
医療従事者向けのシミュレーションは教育目的に広く行われているが、がん患者・家族向けのシミュレーションの試みは乏しい。
(2)がん手術患者のための麻酔教育用e-learningの開発
がん手術麻酔を患者に十分理解してもらい納得した上で麻酔に同意をしてもらうためのe-learningツール開発の要件定義を行った。
(3)医師からの情報発信法に関する研究
 「がん 相談 医師OR医者」をキーワードにして検索したホームページのトップ100頁を検討した。
(4)さまざまな臨床現場での情報研究
高齢者がん患者の情報研究・ITによるがん患者教育・経済の研究・ITを用いたがん患者会との共同研究を行った。
(5)産婦人科患者の情報研究
ウェブサイト上で福島大野病院事件をモデルに情報研究を行った。
結果と考察
(1)がん患者の情報開示に関する研究
悪性リンパ腫患者・家族向け化学療法のシミュレーションを開発した。
(2)がん手術患者のための麻酔教育用e-learningの開発
E-Learningは麻酔科医による対面診療を代替するのではなく、時間的制約の中での対面診療を効率化するためのツールとして定義できた。
(3)医師からの情報発信法に関する研究
100のうち9がサンプルの条件に該当した。運営者は企業やNPOによるHPが3,医療機関が4,医療団体が1,医師個人が1あった。有料サービスを提供しているのはこのうち3つで、残りは無料サービスのみであった。
(4)さまざまな臨床現場での情報研究
情報提供の重要性が確認された。
(5)産婦人科患者の情報研究
医師が逮捕された日には、インターネットの特性を活かした支援活動が行われた。
結論
この多面的研究により、患者と家族に正確な情報の理解・共有がなされ、インターネットを通じてメディカル・リテラシーが向上すれば、「患者納得感」形成に大きく寄与する。また、医療費の最適化、医療の均てん化、がんの実態把握と情報・診療技術の発信・普及、最新のがんの知見及び診療に関する情報を発信・普及するためのネットワーク整備につながると予想される。

公開日・更新日

公開日
2009-04-22
更新日
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