多様な世代及び心身の状態に着目した要介護状態の評価指標の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200718023A
報告書区分
総括
研究課題名
多様な世代及び心身の状態に着目した要介護状態の評価指標の開発に関する研究
課題番号
H18-長寿-一般-012
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 英俊(国立長寿医療センター包括診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 安西信雄(国立精神・神経センター精神科リハビリテーション)
  • 坂本洋一(和洋女子大学家政学部)
  • 西村秋生(国立保健医療科学院)
  • 湯汲英史(社団法人精神発達障害指導教育協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
28,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
多様な障害を対象にした新しい要介護認定方法の開発が社会的にも制度的にも求められている。その理由は既存の要介護認定にはいぜん問題を内包しているからである。また要介護と要支援の判定方法の客観化を求める声も大きい。そこで本研究は従来の要介護認定システムを踏まえ、新たに多様な障害と要介護高齢者に新しい要介護度の定量化をめざして調査研究を行った。
研究方法
本研究グループはこれまでにも要介護高齢者の認定調査のあり方に関する研究、1分間タイムスタディに関する研究、適正な障害の判断基準などについて長年にわたり検討してきたが、これらを踏まえて、多様な障害に適応した、1分間タイムスタディの方法の検討、要介護度と介護サービスに関する調査を中心に研究を行った。
結果と考察
主な結果を紹介する、1)コード化については研究班作成コードの方が、本人の自立に向けた促しや側面からの援助を把握しやすいため、より精神障害者の特性が反映されていた。2)精神障害者にとって必要度の高いサービスは、「生活自立支援」などのIADL関連のサービスである。3)精神障害者のみならず、軽度の認知症や行動障害を有する人への重要なケア行動としての「見守り」は、自計式より他計式において正確に捉えられる可能性がある。また介護給付では、身体介護、家事援助のサービス及び施設サービスの総利用日数と施設サービスの中でも通所施設、短期入所について障害程度区分により違いがあり、障害程度区分が高いほど多くのサービスが利用されており、家事援助及び通所施設の利用時間や日数は、低い障害程度区分の者が高い障害程度区分の者よりも多く利用している傾向があった。またサービスによっては障害程度区分による利用量に有意差がない傾向も示された。身体障害者施設におけるタイムスタディは、自記式による調査には記録をとる時間を確保すること、ケアコードの分類に時間を要すること等がみられ、タイムスタディの実施には、移動中、食事中、入浴中の記述に課題が残された。さらに発達途上にある子どもの場合は、「障害」と「未熟」の区別がつきにくいという結果を得た。
結論
本研究の結果、1分間タイムスタディの調査方法は、コード分類などさらに検討を継続する必要があること、要介護度とサービスの利用量についてはさらに検討が必要であること、在宅の調査は今後も新しい方法を検討する必要があることなどが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2008-07-24
更新日
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