小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチルの有効性・安全性の確認、用法・用量の検討・確立に関する研究

文献情報

文献番号
200717002A
報告書区分
総括
研究課題名
小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチルの有効性・安全性の確認、用法・用量の検討・確立に関する研究
課題番号
H17-小児-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
飯島 一誠(国立成育医療センター腎臓科)
研究分担者(所属機関)
  • 本田 雅敬(東京都立清瀬小児病院)
  • 服部 元史(東京女子医科大学腎臓小児科)
  • 森田 研(北海道大学病院泌尿器科)
  • 和田 尚弘(静岡県立こども病院腎臓内科)
  • 木村 利美(東京女子医科大学病院薬剤部)
  • 土田 尚(国立成育医療センター総合診療部)
  • 相川 厚(東邦大学腎センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床試験推進研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
29,990,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ミコフェノール酸モフェチル(MMF)は最近開発された代謝拮抗薬であり、海外では、小児腎移植においても良好な成績が示され、薬物動態も明らかにされ、用法・ 用量や有効性・安全性が確立され、米国等で承認されている。一方、わが国では、MMFは成人の腎移植には適応が取得されているが、小児腎移植には適応は取得されておらず、多くの小児腎移植患者で適応外使用されている。
本研究は、わが国の小児腎移植において、MMFの薬物動態、有効性・安全性を検討し、用法・用量を確立するとともに、本研究結果をわが国における本薬の小児腎移植適応取得のための評価あるいは参考資料とすることを目的とする。また、本研究を通じて、小児腎移植領域での多施設臨床試験ネットワークの構築および体制整備を行うことも目的のひとつである。
研究方法
本年度は、前年度にプロトコールを作成した、「わが国の小児腎移植患者を対象にMMFを投与し、その有効性・安全性、薬物動態を検討するための多施設臨床試験」を開始した。試験の概要としては、米国での小児承認データと比較可能なSingle-arm, open-label study(症例数50例)とし、エンドポイントは、有効性の主要評価項目を移植後6ヶ月間に生検で急性拒絶反応が証明された患者の割合とし、MMF薬物動態等を副次的評価項目とした。また、安全性評価項目を有害事象発現割合とした。
結果と考察
2008年3月3日現在、参加8施設のすべてで倫理審査委員会の承認を得、25例が登録されている。
試験開始6ヶ月ほどで全参加施設のIRBを通過し、その後、順調に症例登録が行われている。なお、登録症例のうち、1例は、登録後、移植が不可能となり、実際に試験は開始されていない。この1例を除いた24例全例でMMF薬物動態を検討されている。
このまま順調に症例登録が進めば、予定通り2010年1月には試験を終了できる見込みである。
また、本試験の実施を通じて、参加施設の臨床試験に対する理解が深まり、本領域において、質の高い臨床試験を計画・実施できるネットワークを形成できたと考えている。
結論
2008年3月3日現在、試験参加8施設のすべてで倫理委員会を通過し、25症例が登録されており、試験は順調に進行している。本試験による有効性・安全性及び薬物動態の検証データをもとに、小児薬物療法検討会議あるいは適応外使用の取扱い通知第104号により、承認申請を目指す。

公開日・更新日

公開日
2008-06-30
更新日
-

文献情報

文献番号
200717002B
報告書区分
総合
研究課題名
小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチルの有効性・安全性の確認、用法・用量の検討・確立に関する研究
課題番号
H17-小児-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
飯島 一誠(国立成育医療センター腎臓科)
研究分担者(所属機関)
  • 本田 雅敬(東京都立清瀬小児病院)
  • 服部 元史(東京女子医科大学腎臓小児科)
  • 森田 研(北海道大学病院泌尿器科)
  • 和田 尚弘(静岡県立こども病院腎臓内科)
  • 木村 利美(東京女子医科大学病院薬剤部)
  • 土田 尚(国立成育医療センター総合診療部)
  • 相川 厚(東邦大学腎センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床試験推進研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ミコフェノール酸モフェチル(MMF)は最近開発された代謝拮抗薬であり、海外では、小児腎移植においても良好な成績が示され、薬物動態も明らかにされ、用法・ 用量や有効性・安全性が確立され、米国等で承認されている。一方、わが国では、MMFは成人の腎移植には適応が取得されているが、小児腎移植には適応は取得されておらず、多くの小児腎移植患者で適応外使用されている。
本研究は、わが国の小児腎移植において、MMFの薬物動態、有効性・安全性を検討し、用法・用量を確立するとともに、本研究結果をわが国における本薬の小児腎移植適応取得のための評価あるいは参考資料とすることを目的とする。また、本研究を通じて、小児腎移植領域での多施設臨床試験ネットワークの構築および体制整備を行うことも目的のひとつである。
研究方法
まず、わが国の小児腎移植の現状とMMF使用実態調査および米国での承認データの評価を行い、これらを参考にして、「わが国の小児腎移植患者を対象にMMFを投与し、その有効性・安全性、薬物動態を検討するための多施設臨床試験」プロトコールを立案した。その後プロトコールをブラッシュアップ・確定し、説明同意文書、症例報告書等試験実施に必要な書類を作成・各施設に送付し、各施設の倫理委員会の審査に供した。
結果と考察
試験の概要としては、米国での小児承認データと比較可能なSingle-arm, open-label study(症例数50例)とし、エンドポイントは、有効性の主要評価項目を移植後6ヶ月間に生検で急性拒絶反応が証明された患者の割合とし、MMF薬物動態等を副次的評価項目とした。また、安全性評価項目を有害事象発現割合とした。
平成19年1月より試験を開始。2008年3月3日現在、試験参加8施設のすべてで倫理委員会を通過し、25症例が登録されている。また、本試験の実施を通じて、参加施設の臨床試験に対する理解が深まり、本領域において、質の高い臨床試験を計画・実施できるネットワークを形成できたと考えている。さらに、臨床試験に精通した若手医師育成のために、臨床研究に関する勉強会・講義・研修への参加、研究実施計画書等の立案・作成、試験実施等本研究に必要な作業をon the job trainingとして行った。
結論
2010年1月には試験が終了する予定であるが、本試験による有効性・安全性及び薬物動態の検証データをもとに、小児薬物療法検討会議あるいは適応外使用の取扱い通知第104号により、承認申請を目指す。

公開日・更新日

公開日
2008-06-11
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200717002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究は、わが国の小児腎移植において、MMFの薬物動態の検討、有効性・安全性の確認、用法・用量を確立し、本薬の小児腎移植適応取得のための評価あるいは参考資料となりうる研究である。本研究では、わが国で初めて小児腎移植領域の質の高い多施設臨床試験が実施され、本研究を通じ臨床試験に精通した若手医師が育成され、本領域において、質の高い臨床試験を立案・実施可能な体制の整備に寄与できたと思われる。
臨床的観点からの成果
本研究で行った調査によって、わが国でもMMFが非常に高頻度で小児腎移植に用いられていることが明らかになった。すなわち、MMFはわが国の小児腎移植にとって非常に重要な意味を持つ薬剤であり、本研究で実施中の臨床試験で、わが国の小児腎移植でのMMFの薬物動態の検討、有効性・安全性の確認ができれば、わが国での小児腎移植に対するMMFの適応取得への道が開かれ、臨床的にも極めて大きな意義を持つと思われる。
ガイドライン等の開発
本研究での調査では、海外で承認されている用量に比して、実際に投与されている用量は少ない傾向にある。それは、海外での承認が得られた後、新たに強力な免疫抑制剤が導入されたためであるが、本研究によって、新たな免疫抑制剤を併用すれば、承認用量より少量でも有効で安全であることが示される可能性が高く、小児腎移植の免疫抑制療法のガイドライン等に変更を加える必要が生じるだろう。
その他行政的観点からの成果
これまで、わが国の小児腎移植の分野では、質の高い臨床試験は行われておらず、本研究を通じて体制整備の第一歩を踏み出せた。また、このまま予定通りに試験が進行すれば、2010年1月には試験が終了するが、本試験による有効性・安全性及び薬物動態の検証データをもとに、小児薬物療法検討会議あるいは適応外使用の取扱い通知第104号により、承認申請を目指すことが可能と考えており、行政的にも意義深いと思われる。
その他のインパクト
2007年の日本小児腎臓病学会学術集会のシンポジウム「Evidenceとなる臨床研究をおこなうために」で、主任研究者の飯島が、本研究の紹介を行い、わが国の小児腎移植領域でも質の高い臨床試験が行われていることが広く認識されるようになった。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
24件
その他論文(和文)
27件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
33件
学会発表(国際学会等)
24件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-