半導体などナノ粒子による薬剤・細胞伝達システムの開発

文献情報

文献番号
200712038A
報告書区分
総括
研究課題名
半導体などナノ粒子による薬剤・細胞伝達システムの開発
課題番号
H19-ナノ-一般-012
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
山本 健二(国立国際医療センター研究所/国際臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 太田 敏博(東京薬科大学/環境分子生物学)
  • 近藤 昭彦(神戸大学/大学院応用化学科)
  • 狩野 繁之(国立国際医療センター研究所/適正技術開発移転研究部)
  • 土肥多惠子(国立国際医療センター研究所/消化器疾患研究部)
  • 鈴木 春巳(国立国際医療センター研究所/臨床病理研究部)
  • 鈴木 和男(千葉大学/大学院・医学研究院)
  • 鈴木 恵子(昭和大学/歯学部)
  • 山本  悟(国家公務員共済組合連合会横浜栄共済病院眼科)
  • 落谷 孝広(国立がんセンター研究所/がん転移研究室)
  • 斯波真理子(国立循環器病センター研究所/分子生物学)
  • 片岡 一則(東京大学工学部大学院工学系研究科/マテリアル工学専攻)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
70,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、半導体ナノ粒子を用いて薬物や遺伝子の伝達システムを行うと同時に人体の持つ細胞の臓器特異的伝達システムを解析し疾病のメカニズムの解明と治療法の開発を目的にして行なっている。またそれに伴い、半導体などナノ粒子の細胞毒性などの安全性について検討し、人体に所用できる安全なナノ粒子の開発を行ない、同時に一桁ナノ粒子の持つ量子サイズ効果などによる、蛍光プローブとしての生物・医療応用を展開する。
研究方法
II族IV族やIII族V族の元素から構成される半導体ナノ粒子は、CdSeやGaAsなど重金属や毒物などが含まれ人体に利用するには適していない。そこで安全性にすぐれたシリコンドットの製造方法を開発する。またその表面を安定に加工し、製造された後もナノ粒子は酸化されずに安定であることを満たすナノ粒子を開発する。さらにこうして製造されたシリコンドットの安全性を試験し、細胞毒性の少ないナノ粒子であることを試験する。また実際に医療分野で大量に用いられるには、その製造コストもその応用範囲に必要な量を供給できる用なものでなければならない。このようなシリコンナノ粒子を用いて臓器特異的薬物伝達システムを完成させ、生きた細胞の蛍光染色により体内動態を観察し、疾病のメカニズムの解明と治療法の開発を行う
結果と考察
IV族元素のシリコンを用い、その大きさ約2nmのシリコンドットを製造できた。またこのナノ粒子の細胞毒性について試験し、従来のII族IV族から出来ているナノ粒子より一桁以上その毒性が少ないナノ粒子であった。また生産量も従来法を用いた場合に対して1000倍量が一回の製造により製造する事が可能となった。これを用いレセプターリガンドや薬物、匂い分子による表面加工を行い医療応用を試みている。また破骨細胞に導入し、破骨細胞の生理学的解析や慢性的疾患である骨粗鬆についての知見を得ている。
結論
半導体ナノ粒子を医療応用するため更に安全な成分からできているシリコンドットを従来の1000倍量の生産効率にした。またこの粒子に抗炎症剤、匂い分子など低分子化合物を結合させることに成功した。
 また骨髄免疫前駆細胞から破骨細胞を誘導し、生きたままシリコンドットで染色することに成功し、それを用いて骨粗鬆症のメカニズムについての知見を新しい知見を得た。

公開日・更新日

公開日
2008-06-17
更新日
-