文献情報
文献番号
200705001A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品の市販後安全性研究等と利益相反の関係についての研究
課題番号
H19-特別-指定-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 隆一(国立医薬品食品衛生研究所 医薬安全科学部)
研究分担者(所属機関)
- 土屋 文人(東京医科歯科大学歯学部付属病院 薬剤部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医薬品の安全性確保のため臨床研究は、大学病院等で実施され、研究資金として製薬企業による奨学寄附金等が活用されているが、利益相反について指摘されるようになった。社会的信頼性を維持し、適正な研究環境を整備するためには、製薬企業からの奨学寄附金、委託研究費等に関するガイドラインが必要であり、海外の利益相反に関する規程についての調査と合わせて、大学における利益相反マネジメントポリシーの内容等の実態把握と現在のおおよその水準を早急に把握することが喫緊の課題である。
研究方法
医学部及び薬学部それぞれの約1/3、当該学部に所属する教授5名及び協力を申し出た製薬企業に対して、アンケート調査を実施し、現時点における製薬企業からの奨学寄付金等の態様、研究成果の開示状況や活用状況に関する情報、利益相反に関する施設ガイドラインの有無や内容等を調査・解析した。医師に対し、産学連携活動と利益相反に関するアンケート調査を行った。海外当局等のwebsite検索等により、大学での利益相反の取り扱い及び医薬品の審査・評価に関する審議会等の委員の利益相反の規定について調査した。
結果と考察
奨学寄附金、財団・社団等の団体からの研究助成金、臨床委託研究費は、1件又は1人当たりの金額は殆どが100万円以下であった。その他の委託研究費は、50万円以下?100万円の件数が最大であったが1,000万円を超える場合もあった。講演料・原稿料は殆どがそれぞれ年間100万円・50万円以下であった。各大学における利益相反ポリシーは対応が始まったところと考えられた。医師には、産学連携活動や奨学寄附金の必要性を認める意見が多い一方、研究結果や審議会活動への影響を危惧する意見が多かった。
海外の利益相反の取り扱いについて、大学では大学内の利益相反委員会での管理を行っていた。審議会等では、企業での雇用等の制限、研究費の上限設定、利益相反関係の公開などを行っていた。
海外の利益相反の取り扱いについて、大学では大学内の利益相反委員会での管理を行っていた。審議会等では、企業での雇用等の制限、研究費の上限設定、利益相反関係の公開などを行っていた。
結論
1件又は1人の研究者当たりの奨学寄附金、研究助成金、臨床委託研究費、非臨床委託研究費、講演料、原稿料は大半が100万円以下で、これらの結果は学部、教授、製薬企業の調査でほぼ同一の結果であった。医師には産学連携活動への理解の一方で中立性の懸念もあった。海外では、大学での利益相反は学内の利益相反委員会での管理を、審議会等では受領金額の制限や利益相反関係の公開などの措置をとっていた。
公開日・更新日
公開日
2015-06-17
更新日
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