漢方医学の証に関する分類の妥当性検討

文献情報

文献番号
200702007A
報告書区分
総括
研究課題名
漢方医学の証に関する分類の妥当性検討
課題番号
H19-統計-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 賢治(慶應義塾大学医学部漢方医学センター)
研究分担者(所属機関)
  • 石野 尚吾(日本東洋医学会)
  • 米田 該典(日本東洋医学会)
  • 崎山 武志(日本東洋医学会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
2,243,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在WHO西太平洋地区のプロジェクトとして、日中韓を中心にICDの東アジア伝統版を作成中である。それに呼応する形で漢方医学独特の診断方法である「証」に関する分類を確立し、国内外における伝統医学統計情報の基盤を作成する。




研究方法
証コードの検討と東アジア伝統医学疾病コードとのハーモナイゼイション
平成18年度に作成した漢方コードを再度見直し、検討し英訳作業を完結し、WHO西太平洋地域事務局で作成中の疾病分類(international classification of Traditional Medicine: ICTM)を完成させる。

証の検証作業
証に関する分類を進めて行くと同時に、「証」そのものの妥当性を検証する手法を検討する。
結果と考察
証コードの検討と東アジア伝統医学疾病コードとのハーモナイゼイション
2007年3月のWHO西太平洋地域事務地域事務局会議にてIST(東アジア伝統医学標準用語集)に準じて疾病分類を作成することが決まった。日本側のものを8月中旬に提出を行い、ICTMアルファ版を決定するために8月26日から28日までオーストラリアのブリスベンにてICTM最終版作成のための会議が行われICTM/WPROのアルファ版0.95を作成した。2007年WHO-FIC年次総会はイタリアのトリエステにて行われた。本会議にはWHO西太平洋地域事務局のICTMワーキンググループの代表として渡辺(日本)、Shim(韓国)、Rosemary Roberts(オーストラリア)が参加した。ICTM/WPROは概ね好意的に受け入れられ、原則として関連分類として認めることが決定された。また、名称はICTM/WPROではなく、ICTM EA(international classification of Traditional Medicine East Asia)と決定された。

証の検証作業の検討
わが国での証の検証作業を行うためにコンピュータシステム上で簡単に入力できるものを考え、試作品を作成した。
結論
東アジア伝統医学分類(ICTM EA)のアルファ版がWHO西太平洋地域事務局を中心として、日中韓豪で作成した。本分類には日本で用いられている漢方医学の「証」盛り込まれている。WHO-FIC会議にてICDの関連分類とすることがほぼ決定された。今後ベータ版作成に当たり、検証作業が必要であり、日本での作業を推進するためのコンピューターベースのプラットフォームを作成した。

公開日・更新日

公開日
2008-06-02
更新日
-