違法ドラッグの薬物依存形成メカニズムとその乱用実態把握に関する研究

文献情報

文献番号
200637064A
報告書区分
総括
研究課題名
違法ドラッグの薬物依存形成メカニズムとその乱用実態把握に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H18-医薬-一般-018
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
舩田 正彦(国立精神・神経センター精神保健研究所薬物依存研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 浅沼 幹人(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科神経情報学分野)
  • 青尾 直也(国立精神・神経センター精神保健研究所薬物依存研究部?)
  • 和田 清(国立精神・神経センター精神保健研究所薬物依存研究部?)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
6,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)である2Cファミリーと称される2C-T-4、2C-T-2、2C-I(2C)の精神依存性、自覚効果および神経毒性に関する基盤研究を行った。また、違法ドラッグの評価に関する基礎資料を提供する目的で、青少年を対象に、違法ドラッグを含む薬物乱用実態に関する疫学調査を実施した。
研究方法
行動解析:マウスを使用して、薬物弁別試験法、conditioned place preference (CPP)法による自覚効果および精神依存性の評価を行った。細胞毒性の評価:セロトニン系培養神経細胞B65細胞およびドパミン系培養神経細胞CATH.a細胞を用いて、細胞毒性(LDH放出量測定)を検討した。疫学調査:大学生および定時制高校生を対象に、無記名自記式による質問紙調査を実施した。
結果と考察
行動解析:2Cは精神依存形成能を有することが明らかになった。また、2Cは麻薬である2C-T-7と類似した弁別刺激特性を有することが明らかになった。2Cは乱用される危険性が極めて高い薬物であることが判明した。細胞毒性の評価:B65細胞およびCATH.a細胞において、2C単独暴露により、有意なLDH放出量の増加が確認された。2Cは、非常に強い神経毒性を有することが明らかになった。薬物乱用の生涯経験率は大学生(474名)で1.9%、定時制課程の高校生(247名)で8.6%であった。違法ドラッグに関しては、規制薬物の俗称を違法ドラッグと誤解している情報が多かった。喫煙、薬物乱用に誘われた経験や身近に乱用者が多いことなどが、薬物乱用のリスクファクターとなる可能性が示唆された。
結論
麻薬である2C-T-7の4位において、構造修飾に希少差異があっても類似した精神依存性および細胞毒性を発現する危険性が示唆された。したがって、2C-T-4、2C-T-2、および2C-Iは2C-T-7と同様、規制薬物として指定する必要がある。薬物弁別試験法は、違法ドラッグの自覚効果の評価に有用であることが示唆された。培養細胞を利用した細胞毒性の評価は、迅速かつ正確な評価法として有用である。こうした一連の薬物評価システムにより、効果的に違法ドラッグの有害作用を解析できる。実態調査の結果から、違法ドラッグに関しては、規制薬物を違法ドラッグと誤解している情報が多く、違法ドラッグという概念の周知の難しさが明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2007-03-30
更新日
-