医療機器分野におけるリスクマネジメント手法に関する研究

文献情報

文献番号
200637008A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器分野におけるリスクマネジメント手法に関する研究
課題番号
H16-医薬-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
桜井 靖久(東京女子医科大学)
研究分担者(所属機関)
  • 谷川 廣治(日本医療機器産業連合会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,450,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療の安全性を高めるために、国際的な潮流ともなってきている、医療機器分野における実効性のあるリスクマネジメント手法の確立を目指すための指針を作ることを目的とする。
研究方法
製造・販売・企業側、審査側、ユーザーである医療側等の医療機器に関係する各方面から計10名の研究協力者を依頼し、海外資料、特にISO14971改訂版などを参考資料として討議を重ね、医療機器のソフトウェア、医療機器のライフサイクルを通じてのリスク、リスク管理において特に重要なハザード分析や危険状況(hazardous situation)の各機種についての考察をまとめ、リスク管理の指針を考察した。
結果と考察
医療機器は、薬剤とちがって、品種、構造、材料、作用機序等もきわめて多種多様であり、使い方にも技術を必要とし、保守管理、廃棄にいたるまで管理を必要とする。国際状況からみると、ISO14971改訂版がより詳細な内容となって、ソフトウェアも含めて医療機器のリスク管理は品質管理上の最重要テーマとなりつつある。医療機器の安全性を担保するためには、機器の使用者等の人間との界面における人間工学的な意味における安全性をも分析することが必要である。この点に関しては臨床現場における人工呼吸器等を中心とした実態調査をもとに、医療機器のusabilityについてのリスク管理上の問題点を考えた。器械のダイアル等のわかり易さや統一性は重要である。機器は千差万別であるので、それぞれの個別機器についてのハザード分析と潜在的なハザードが顕在化する危険状況の分析が大事であり、その考察を通じて、各機器のリスク管理についての知識、経験、洞察などへの認識が深化できるものと思われる。いずれにしても、各機器には既知もしくは未知の残留リスクがあることは必然であり、個々の機器については定量化することの難しいリスクと効用のバランスをそれぞれの場合に付いて定性的に判断せざるを得ない。
結論
本研究で指摘された医療機器分野におけるリスク管理上の問題点は、企業側、審査側、医療側の各面において医療の安全性向上に資するところが大きく、国際的に見ても国際調和等に貢献するものである。

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200637008B
報告書区分
総合
研究課題名
医療機器分野におけるリスクマネジメント手法に関する研究
課題番号
H16-医薬-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
桜井 靖久(東京女子医科大学)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田正人(平成16、17年度)(日本医療機器産業連合会)
  • 谷川廣治(平成18年度)(日本医療機器産業連合会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療現場への普及の著しい医療機器分野における実効性のあるリスクマネジメント手法の確立を目指し、医療の安全性を向上するための指針をつくることを目的とする。
研究方法
医療機器に関係する開発・設計・製造・販売等に携わる企業側、ユーザーとしての医療側、および審査機関側から計12名の研究協力者を依頼し、主として、ISOやGHTF等からの海外資料等を参考にしながら議論を重ね、医療機器分野におけるリスク管理に必要な事項を考察した。また、医療現場におけるヒヤリ・ハット情報等の安全情報について調査し、機器をusabilityという見地から検討した。
結果と考察
医療機器は薬剤と違って、品種、材料、製造、作用機序等に関してきわめて多種多様であり、使用にも技術を要し、保守、管理、廃棄にいたるまでライフサイクルを通じての管理が必要となる。また近年比重を高めてきつつあるソフトウェアについても、リスク管理の対象として考えなければならない。国際的状況を見ても、ISO14971(医療機器-リスクマネジメントの医療機器への適用)が2006年末には改訂版が決定され、内容はより詳細となり、品質管理における最重要事項はリスク管理である、という当然のことが風潮となりつつある。年代的にも機種的にも、多くのものが入り混じって作用される医療現場では、機器の高性能化、複雑化が増すよりも、ダイアル等のわかり易さや、重要な性能の統一性などが求められる。個々の機器のリスク管理については、まずハザード分析と、潜在的なハザードが危害として顕在化する危険状況の分析とが重要であり、その例示・考察を通じて、各機器のリスク管理についての知識・経験・洞察などへの認識が深化できるものである。いずれにせよ、各機器には既知もしくは未知の残留リスクがあることは必然であり、完全には定量化することが困難あるリスクと効用とのバランスについてはそれぞれの場合に定性的に判断せざるを得ないと考えられる。
結論
本研究で考察された医療機器分野におけるリスク管理上の諸点は、企業、審査、医療の各面において医療の安全性向上に役立つところが大きく、また、国際調和にも貢献できるものと思われる。

公開日・更新日

公開日
2009-05-14
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200637008C