畜水産食品の微生物等の試験方法に関する研究

文献情報

文献番号
200636025A
報告書区分
総括
研究課題名
畜水産食品の微生物等の試験方法に関する研究
課題番号
H17-食品-一般-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
宮原 美知子(国立医薬品食品衛生研究所 衛生微生物部)
研究分担者(所属機関)
  • 高鳥 浩介(国立医薬品食品衛生研究所 衛生微生物部 )
  • 五十君 靜信(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部 )
  • 荒川 英二(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 清水 晃(神戸大学農学部)
  • 甲斐 明美(東京都健康安全研究センター 食品微生物科)
  • 塚本 定三(大阪府立公衆衛生研究所 感染症部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国内における細菌検査は、厚労省等からの通知文書と“食品衛生検査指針”を参考に行われているが、長期にわたり見直されることなくそのまま用いられている検査法が多い。そのため、国外の標準法のような規格化されたプロトコールに従った検査が、国内では行われていない現状がある。この是正を計るため、プロトコール作りの段階から公開し、専門家や実際に検査を行う技術者の意見を広く求め、検査法案を策定した後、コラボスタディーにより、複数の検査室で実行性の評価を経たのち、最終案をまとめる。多くの人に支持される検査法を作成することが目的である。サルモネラ、黄色ブドウ球菌と腸炎ビブリオについて検討を行う。
研究方法
標準法検討委員会を立ち上げ、議論を行って、標準検査法の策定方針について議論し、指針を決定した。サルモネラ、黄色ブドウ球菌と腸炎ビブリオの検査法策定に向けて、作業班を作り、原案を策定した後、詳細にわたって実験的に検討を行った。原案の段階や詳細検討内容についても、学会、衛研ホームページ上で公開してきた。検討結果をふまえて、検査法を見直し、次の段階の検査法を提案する。コラボを行って検査法を確認し、最終案を策定する。
結果と考察
サルモネラはステージ2の作業班案の段階であり、黄色ブドウ球菌の検査法については、原案が公開されている。腸炎ビブリオについては、原案の公開が遅れている。しかしながら、腸炎ビブリオ検査法検討班では検出分離寒天平板に関して、数機関での検討を行い、TCBS培地と同様に酵素基質培地についても同様かつ有効に使用できることを実験的に証明した。議論及びプロトコール案については、国立衛研WEB上にて逐次公開し、検査法に対する意見を募っている。また、標準検査法検討委員会そのものもオブザーバー参加を募って、公開で議論を行っている。科学的根拠の提示、議論と公開によって、でき上がってくる検査法は、その段階において標準検査法として、国内外に尊重される検査法になると確信を持っている。しかしながら、標準検査法検討委員会で議論を行い、結論の着いたものについて検査法の策定段階を進めるようにしているため、どの検査法についても、進行が遅くなっている。研究の最終年度に向けて、実験上の検討やコラボについても急ぎたいと考えている。
結論
標準法検討委員会に参加してくださる先生達の協力も得て、サルモネラ、黄色ブドウ球菌と腸炎ビブリオの標準検査法検討は着実に進行している。

公開日・更新日

公開日
2007-07-23
更新日
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