職業性ストレス簡易調査票及び労働者疲労蓄積度自己診断チェックリストの職種に応じた活用法に関する研究

文献情報

文献番号
200635006A
報告書区分
総括
研究課題名
職業性ストレス簡易調査票及び労働者疲労蓄積度自己診断チェックリストの職種に応じた活用法に関する研究
課題番号
H17-労働-一般-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
下光 輝一(東京医科大学公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 堤 明純(産業医科大学実務研修センター)
  • 小林 章雄(愛知医科大学)
  • 酒井 一博(財団法人労働科学研究所)
  • 原谷 隆史(独立行政法人労働安全衛生総合研究所研究企画調整部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
職業性ストレス簡易調査票および労働者疲労蓄積度自己診断チェックリストを職種に応じて有効活用するために、職種ごとの基準値の設定と判定方法についての検討を行う。さらにこれら調査票を補完する職種に特徴的なストレス要因を測定する尺度を開発することを目的とした。
研究方法
交通運輸・医療福祉・情報通信関連・製造・販売サービス業の従事者、および裁量労働、交替制勤務従事者を対象に、データを収集し検討した。また、労働者ならびに事業場の管理者や産業保健職を対象にヒアリングを行い、職種に特徴的なストレス要因について抽出、検討した。
結果と考察
バスドライバーでは、不規則勤務、長時間の拘束といった勤務制度に関する負担・疲労要因が明らかとなり、また休息の不十分さ、睡眠不足等についての訴えが多かった。医療福祉従事者では過大な量的負荷・責任と努力に見合わない報酬・評価がストレス要因として大きかった。さらに、家庭仕事間葛藤や医師との関係によるストレスが高頻度で訴えられており、追加調査項目として重要と考えられた。情報通信関連職では、身体的負荷が低く技能は活用されるが、高度の知識や技術が必要な難しい仕事であり、不安、抑うつが高いこと、疲労蓄積については時間外労働、不規則な勤務、出張に伴う負担が高かった。生産工程労務職では、男女とも身体的負担、職場環境のストレス得点が高く、技能の活用度、仕事の適性度、働き甲斐が低かった。またヒアリングにて、仕事の将来の曖昧さや不安定さがストレス要因として指摘された。販売サービス職では、男女ともに量的・身体的負担の得点が高かった。裁量労働従事者では、通常勤務やフレックスと比較して量的・質的負担が高い一方、コントロール度は同程度かやや高かった。交替制勤務従事者では、量的・質的負担はやや高いがコントロール度が低かった。また身体的負担や職場環境によるストレスが高く、疲労感や身体愁訴も高かった。今後、これら調査票結果の職種の違いを考慮した働き方について提言を行うとともに、疲労の軽減や蓄積予防のためのマニュアルの整備の必要性が示唆された。
結論
職種別に2つの調査票のデータを詳細に検討し、職種ごとの特徴を明らかにし、基準値再設定ならびに職種に応じた判定方法設定のための資料を得た。また職種に特徴的なストレス要因について調査する追加質問項目素案を作成した。

公開日・更新日

公開日
2007-04-26
更新日
-