診療の方向性に基づいた監査や追跡性に資する電子カルテの記述モデルに関する研究

文献情報

文献番号
200634074A
報告書区分
総括
研究課題名
診療の方向性に基づいた監査や追跡性に資する電子カルテの記述モデルに関する研究
課題番号
H17-医療-一般-043
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 康行(琉球大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 隆一(東京大学 大学院情報学環)
  • 植田 真一郎(琉球大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
今後の保健医療福祉を支える医療情報システムには,診療行為の論拠性と効率化,そして診療品質の維持に資する一次情報を精確に集積する情報構造を持つことが求められている.したがって大きい臨床現場において原因や事由に基づいた行為の連続としての成果を記録する医療情報システムの構築に資すべき情報モデルと記述構造とが必須である.これらの構築には情報技術のみならず臨床思考過程への洞察をも要しており,旧来のようなアプローチによるシステム機構とその設計の延長線上にあるものではない.よって本研究ではその記述形式としてH15-医療-050の成果であるontology CSXを活用し,臨床思考過程のなかにGoalをembedしながら本研究主題を遂行することとした.
研究方法
診療とは病名やプロブレムを論拠とした治療目標やエンドポイントに対する介入であり診療成果は治療目標やエンドポイントと比較されて初めて意義付けされうるので,診療経過モデルにembedされた臨床思考過程モデルにその情報構造を求めることとし,これを全体としてモデル構築して情報格納構造として規定した.そして種々の関係の視座と意義,それらに関わる述語ほか語彙を検証しながら,臨床思考過程の構造を明示化・定式化した.このなかにGoalをembedして診療の方向性を表現することによって追跡性や監査性を与える記述枠組を構築し,併せて試作システムと試作分析ツールを研究開発した.
結果と考察
定式化したモデルは診療における意図実現の過程を記録することとなっている.また記述形式はH15-医療-050の成果であるontology CSXを活用しており,一次データの応用可能性は極めて高い.
実運用システムと有機的に連携したなら医師の臨床思考過程の一部をキャプチュアできることで本研究目的を果たすことはもとより,入力されたデータを再構成しながらセマンティック・アノテーションを含んだ「自然言語」を機械生成できることとなる.
結論
本研究によって,適正診療の監査,診療の方向性を勘案したデータマイニングや臨床試験への有益な一次情報の提供,経験知識の獲得と共有,臨床教育などに十二分に貢献しうる成果,診療の方向性に基づいた監査や追跡性に資する電子カルテの記述モデルが得られた.

公開日・更新日

公開日
2007-08-08
更新日
-

文献情報

文献番号
200634074B
報告書区分
総合
研究課題名
診療の方向性に基づいた監査や追跡性に資する電子カルテの記述モデルに関する研究
課題番号
H17-医療-一般-043
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 康行(琉球大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 隆一(東京大学 大学院情報学環)
  • 植田 真一郎(琉球大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
今後の保健医療福祉を支える医療情報システムには,診療行為の論拠性と効率化,そして診療品質の維持に資する一次情報を精確に集積する情報構造を持つことが求められている.したがって大きい臨床現場において原因や事由に基づいた行為の連続としての成果を記録する医療情報システムの構築に資すべき情報モデルと記述構造とが必須である.これらの構築には情報技術のみならず臨床思考過程への洞察をも要しており,旧来のようなアプローチによるシステム機構とその設計の延長線上にあるものではない.よって本研究ではその記述形式としてH15-医療-050の成果であるontology CSXを活用し,臨床思考過程のなかにGoalをembedしながら本研究主題を遂行することとした.
研究方法
診療とは病名やプロブレムを論拠とした治療目標やエンドポイントに対する介入であり診療成果は治療目標やエンドポイントと比較されて初めて意義付けされうるので,診療経過モデルにembedされた臨床思考過程モデルにその情報構造を求めることとし,これを全体としてモデル構築して情報格納構造として規定した.そして種々の関係の視座と意義,それらに関わる述語ほか語彙を検証しながら,臨床思考過程の構造を明示化・定式化した.このなかにGoalをembedして診療の方向性を表現することによって追跡性や監査性を与える記述枠組を構築し,併せて試作システムと試作分析ツールを研究開発した.
結果と考察
定式化したモデルは診療における意図実現の過程を記録することとなっている.また記述形式はH15-医療-050の成果であるontology CSXを活用しており,一次データの応用可能性は極めて高い.
実運用システムと有機的に連携したなら医師の臨床思考過程の一部をキャプチュアできることで本研究目的を果たすことはもとより,入力されたデータを再構成しながらセマンティック・アノテーションを含んだ「自然言語」を機械生成できることとなる.
結論
本研究によって,適正診療の監査,診療の方向性を勘案したデータマイニングや臨床試験への有益な一次情報の提供,経験知識の獲得と共有,臨床教育などに十二分に貢献しうる成果,診療の方向性に基づいた監査や追跡性に資する電子カルテの記述モデルが得られた.

公開日・更新日

公開日
2007-08-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200634074C