臨床研修医が初期研修の2年間に修得すべきEBM教育カリキュラムの開発に関する研究

文献情報

文献番号
200634070A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床研修医が初期研修の2年間に修得すべきEBM教育カリキュラムの開発に関する研究
課題番号
H17-医療-一般-039
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
小泉 俊三(佐賀大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 長谷川 敏彦(日本医科大学)
  • 葛西 龍樹(福島県立医科大学)
  • 名郷 直樹(地域医療振興協会地域医療研修センター)
  • 吉村 学(岐阜県損斐郡地域医療センター)
  • 武藤 正樹(国際医療福祉大学附属三田病院)
  • 津谷 喜一郎(東京大学大学院薬学系研究科)
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部公衆衛生学教室)
  • 武澤 純(名古屋大学大学院医学研究科)
  • 北井 啓勝(埼玉社会保険病院)
  • 多治見 公高(秋田大学医学部附属病院)
  • 上野 文昭(大船中央病院)
  • 鎌江 伊三夫(神戸大学大学院都市安全医学研究分野)
  • 福岡 敏雄(倉敷中央病院)
  • 山城 清二(富山大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
患者の安全をはじめとする医療の質が鋭く問われている今日、医師には、その専門領域を問わず、患者中心の臨床アウトカムを重視するEBM(根拠に基づく医療)を実践することが強く求められている。EBMとは、手に入る最新最良の医学情報を吟味し、患者に特有の臨床状況と患者の価値観に配慮して患者の問題を解決しようとする診療態度を指すが、新医師臨床研修制度の中でも医療人として修得すべき基本的コンピテンシー(「行動目標3.問題対応能力」)の一つに取り上げられている。しかし、現実の研修プログラム立案においては、診療科のローテート期間等に議論が集中し、研修医も日常診療業務に忙殺される中で、診療態度としてのEBMを身に付ける機会のないまま研修を終了してしまう現実がある。
本研究では2年間の初期研修期間を通じてのEBM教育カリキュラム開発を目指した。
研究方法
先行研究では患者を臨床判断上の特性に従って、定型(85%)、複雑(15%)、例外(5%)に類型化し、各類型に適合したEBM手法を例示し、指導医のためのEBM講習会開催を通じて教材の開発を行うとともに、研修病院における1.早朝カンファレンス、2.症例検討会、3.文献抄読会、4.退院時サマリー記載、5.学会発表、等の教育機会に応用可能なEBM教育手法について検討してきたが、本研究では、上記に加えて、卒前EBM教育の現状分析、若手総合診療医を対象としたセミナー開催等を通じて、研修医のEBMマインド(診療態度)育成に役立つカリキュラムの策定を試みた。
結果と考察
平成18年11月に「臨床研修指導医のためのEBM講習会(東京都)」を開催し、模範的なEBM学習企画例を紹介するとともにレクチャー用教材の洗練を図った。平成19年1月には「わが国の卒前EBM教育の現状フォーラム(神戸大学)」を開催、医学教育全般の抜本改革の必要性について検討、更に平成19年1月には「第1回若手Generalistのためのセミナー(東京大学)」を開催し、若手総合診療医のEBM理解について多くの示唆を得た。
結論
上記の諸企画で得られた意見を参考にして初期臨床研修2年間を通じてのEBM教育カリキュラム案を策定したが、今後、EBM教育の一層の普及を図るには問題解決能力に力点をおいた医学教育の抜本的改革が必要なことが明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2007-08-08
更新日
-

文献情報

文献番号
200634070B
報告書区分
総合
研究課題名
臨床研修医が初期研修の2年間に修得すべきEBM教育カリキュラムの開発に関する研究
課題番号
H17-医療-一般-039
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
小泉 俊三(佐賀大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 長谷川 敏彦(日本医科大学)
  • 葛西 龍樹(福島県立医科大学)
  • 名郷 直樹(地域医療振興協会地域医療研修センター)
  • 吉村 学(岐阜県損斐郡地域医療センター)
  • 武藤 正樹(国際医療福祉大学附属三田病院)
  • 津谷 喜一郎(東京大学大学院薬学系研究科)
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部公衆衛生学教室)
  • 武澤 純(名古屋大学大学院医学研究科)
  • 北井 啓勝(埼玉社会保険病院)
  • 多治見 公高(秋田大学医学部附属病院)
  • 上野 文昭(大船中央病院)
  • 鎌江 伊三夫(神戸大学大学院都市安全医学研究分野)
  • 福岡 敏雄(倉敷中央病院)
  • 山城 清二(富山大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
患者の安全をはじめとする医療の質が鋭く問われている今日、医師には、その専門領域を問わず、患者中心の臨床アウトカムを重視するEBM(根拠に基づく医療)を実践することが強く求められている。EBMとは、手に入る最新最良の医学情報を吟味し、患者に特有の臨床状況と患者の価値観に配慮して患者の問題を解決しようとする診療態度を指すが、新医師臨床研修制度の中でも医療人として修得すべき基本的コンピテンシー(「行動目標3.問題対応能力」)の一つに取り上げられている。しかし、現実の研修プログラム立案においては、診療科のローテート期間等に議論が集中し、研修医も日常診療業務に忙殺される中で、診療態度としてのEBMを身に付ける機会のないまま研修を終了してしまう現実がある。
本研究では2年間の初期研修期間を通じてのEBM教育カリキュラム開発を目指した。
研究方法
先行研究では患者を臨床判断上の特性に従って、定型(85%)、複雑(15%)、例外(5%)に類型化し、指導医のためのEBM講習会開催を通じて教材の開発を行った。本研究では時期を定めて実施する講習会のみならず、研修病院における1.早朝カンファレンス、2.症例検討会、3.文献抄読会、4.退院時サマリー記載、5.学会発表、等の教育機会に応用可能なEBM教育手法についても検討し、加えて、卒前EBM教育の現状分析、若手総合診療医を対象としたニーズ調査も実施し、2年間を通じて研修医のEBMマインド(診療態度)育成に役立つカリキュラムを策定した。
結果と考察
平成17年と18年の11月に夫々「臨床研修指導医のためのEBM講習会(東京都)」を開催し、模範的なEBM学習企画例を紹介した。また平成19年1月には「卒前EBM教育フォーラム(神戸大学)」及び「若手Generalistのためのセミナー(東京大学)」を開催し、医学生や若手総合診療医のEBM理解について多くの示唆を得ることが出来た。また逐次、講習会内容を中心にレクチャー用教材の制作も進めた。
結論
先行研究の成果を基盤に、さまざまの現場での工夫を含め、初期臨床研修2年間を通じてのEBM教育カリキュラム案を策定したが、今後、EBM教育の一層の普及を図るには問題解決能力に力点をおいた医学教育への抜本的改革が必要なことが明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2007-08-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200634070C