網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究

文献情報

文献番号
200633028A
報告書区分
総括
研究課題名
網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究
課題番号
H17-難治-一般-019
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
石橋 達朗(九州大 眼科)
研究分担者(所属機関)
  • 新家 眞(東京大 眼科)
  • 小椋 祐一郎(名古屋市大 眼科)
  • 坂本 泰二(鹿児島大 眼科)
  • 白神 史雄(香川大 眼科)
  • 田野 保雄(大阪大 眼科)
  • 寺崎 浩子(名古屋大 眼科)
  • 中江 公裕(南九州大 食品栄養学科)
  • 中澤 満(弘前大 眼科)
  • 湯沢 美都子(日本大駿河台 眼科)
  • 吉村 長久(京都大 眼科)
  • 和田 裕子(東北大 眼科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
39,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
未だ原因究明が不十分かつ有効な治療法が未確立な疾患群(主として加齢黄斑変性、遺伝性網膜変性疾患、視神経萎縮症)を対象とし、病態の解明、増悪阻止、さらには網膜再生法の開発を行う。
研究方法
加齢黄斑変性の病態解明に関し、リポフスチンを模倣した微粒子を作製し、網膜色素上皮細胞に与える影響について、細胞の接着能や増殖能を評価する。また、骨髄移植モデルを利用し、骨髄間葉系幹細胞が脈絡膜新生血管の活動性に与える影響を検討する。
網膜色素変性に対する遺伝子治療の安全性に関し、カニクイザルを用いてコントロールベクターの網膜下投与に対する安全性試験を施行する。
マウスを用いて、網膜神経幹細胞を利用した神経再生治療の開発に関し検討する。
結果と考察
加齢黄斑変性の病態としては、リポフスチンの網膜色素上皮細胞への慢性的な蓄積が病態形成に関与している可能性が示唆された。また、骨髄間葉系幹細胞は脈絡膜新生血管の活動性抑制に働いており、幹細胞の機能制御による病態コントロールの可能性を示した。
網膜色素変性に対する網膜組織への神経保護因子の遺伝子を直接導入することによる治療法開発については、サル網膜でも2年以上の長期に安定した遺伝子発現と安全性が確認され、臨床応用に到ろうとしている。
神経萎縮に関し、毛様体内に存在する網膜神経幹細胞を利用し、網膜疾患に対する神経再生治療の可能性を提起する結果が得られた。
結論
依然として難治性の疾患群ではあるが、今回の報告でも示すように病態解明が進む一方で、徐々にではあるものの治療の方向性が見えつつある。

公開日・更新日

公開日
2007-04-23
更新日
-