こころの健康科学研究のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200632012A
報告書区分
総括
研究課題名
こころの健康科学研究のあり方に関する研究
課題番号
H16-こころ-一般-015
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
久野 貞子(国立精神・神経センター武蔵病院)
研究分担者(所属機関)
  • 杉田 秀夫(国立精神・神経センター)
  • 金 吉晴(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 山村 隆(国立精神・神経センター神経研究所)
  • 功刀 浩(国立精神・神経センター神経研究所)
  • 有馬 邦正(国立精神・神経センター武蔵病院 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「こころの健康科学」研究事業は平成14年度より開始された。今後の研究の進展のためには、研究事業間の課題の重複を避け、それぞれの研究事業の役割を明確にして効率化をはかることが望ましい。また、研究課題には時代の要請を反映させることが必要である。以上の点を考慮し、この3年間の「こころの健康科学」研究事業を総括し今後のあり方を検討することが本研究の目的である。
研究方法
初年度は平成15年度までに終了した課題の主任研究者を対象として、課題の成果に関する評価のアンケート調査を行った。また、研究成果から発表された論文についての調査を行った。二年度は発表された論文の数と引用された回数を算出し、その分析結果に基づいて分担研究者が分野別に研究成果を総括し今後の研究のあり方に関する提言を行った。最終年度は初年度・二年度の結果を踏まえ、今後取り組むべき課題について検討した。
結果と考察
全体の総括から、およそ3割の研究は国際的にも高い評価が得られていることが明らかになった。筋疾患に関する研究はいずれもジストロフィーの病態解明に関する極めて質の高い研究と評価された。神経疾患の基礎研究は約4割の研究が国際的にみて極めて高い水準にあることがわかった。精神疾患の心理・社会学的研究は睡眠研究や児童の発達障害に関する研究が高く評価された。神経疾患の病態研究は、その7割は研究助成に十分値する内容であり、3割は特に「優秀」と判断されるものであった。精神疾患の生物学的研究は分子生物学的研究、遺伝子解析、機能的画像研究などにより、社会的関心の高い疾患(障害)中心に研究成果が蓄積されつつあると評価された。また、ブレインバンクの普及のためには、運営の全般にわたるシステムの確立及び国民の理解を深めるための啓発活動が必要であることが明らかになった。出版された1356編について集計を行ったところ1つの研究課題の成果から出版された論文数は、1編から9編が最も多かった。課題の継続年数や研究の性質により出版される論文数は異なると考えられた。引用した論文の著者の住所地は90カ国に渡っており、成果は国際的に広く活用されていた。
結論
これまでの研究成果について、主任研究者らの自己評価及び出版された論文の被引用回数を用いた検討を行った。専門領域別にその領域の研究の学術的貢献の評価、その領域の研究の行政的観点からの評価、医学・医療への貢献度を総括し、その上で今後とりくむべき課題を整理した。今後は行政的、臨床的研究の成果を客観的に評価する指標の開発が望まれる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-10
更新日
-

文献情報

文献番号
200632012B
報告書区分
総合
研究課題名
こころの健康科学研究のあり方に関する研究
課題番号
H16-こころ-一般-015
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
久野 貞子(国立精神・神経センター武蔵病院)
研究分担者(所属機関)
  • 杉田 秀夫(国立精神・神経センター)
  • 金 吉晴(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 山村 隆(国立精神・神経センター神経研究所)
  • 功刀 浩(国立精神・神経センター神経研究所)
  • 有馬 邦正(国立精神・神経センター武蔵病院 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「こころの健康科学」研究事業は平成14年度より開始された。今後の研究の進展のためには、研究事業間の課題の重複を避け、それぞれの研究事業の役割を明確にして効率化をはかることが望ましい。また、研究課題には時代の要請を反映させることが必要である。以上の点を考慮し、この3年間の「こころの健康科学」研究事業を総括し今後のあり方を検討することが本研究の目的である。
研究方法
初年度は平成15年度までに終了した課題の主任研究者を対象として、課題の成果に関する評価のアンケート調査を行った。また、研究成果から発表された論文についての調査を行った。二年度は発表された論文の数と引用された回数を算出し、その分析結果に基づいて分担研究者が分野別に研究成果を総括し今後の研究のあり方に関する提言を行った。最終年度は初年度・二年度の結果を踏まえ、今後取り組むべき課題について検討した。
結果と考察
全体の総括から、およそ3割の研究は国際的にも高い評価が得られていることが明らかになった。筋疾患に関する研究はいずれもジストロフィーの病態解明に関する極めて質の高い研究と評価された。神経疾患の基礎研究は約4割の研究が国際的にみて極めて高い水準にあることがわかった。精神疾患の心理・社会学的研究は睡眠研究や児童の発達障害に関する研究が高く評価された。神経疾患の病態研究は、その7割は研究助成に十分値する内容であり、3割は特に「優秀」と判断されるものであった。精神疾患の生物学的研究は分子生物学的研究、遺伝子解析、機能的画像研究などにより、社会的関心の高い疾患(障害)中心に研究成果が蓄積されつつあると評価された。また、ブレインバンクの普及のためには、運営の全般にわたるシステムの確立及び国民の理解を深めるための啓発活動が必要であることが明らかになった。出版された1356編について集計を行ったところ1つの研究課題の成果から出版された論文数は、1編から9編が最も多かった。課題の継続年数や研究の性質により出版される論文数は異なると考えられた。引用した論文の著者の住所地は90カ国に渡っており、成果は国際的に広く活用されていた。
結論
これまでの研究成果について、主任研究者らの自己評価及び出版された論文の被引用回数を用いた検討を行った。専門領域別にその領域の研究の学術的貢献の評価、その領域の研究の行政的観点からの評価、医学・医療への貢献度を総括し、その上で今後とりくむべき課題を整理した。今後は行政的、臨床的研究の成果を客観的に評価する指標の開発が望まれる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-10
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200632012C

成果

専門的・学術的観点からの成果
脳科学研究事業及びこころの健康科学研究事業の助成を受けて行われた研究課題の主任研究者による自己評価と、成果から発表された論文の数や被引用回数を客観的指標とした検討を通して、各領域の研究の現状を把握し、何がどこまで明らかにされたか、どのような課題に今後取り組むべきかを明らかにすることができた。今後これらの情報を研究者に提供することにより、研究の計画や立案に役立てることが可能と考えられる。また、研究事業の全体の方向性や新たな研究課題の設定を検討するにあたっての有用な資料となると考えられる。
臨床的観点からの成果
本研究で総括された研究課題は神経疾患及び精神疾患の臨床的課題と密接に関連したものである。現在までに明らかになった病態及び治療法、今後の治療法開発等の方向性について明確にされた事が臨床的成果といえる。
ガイドライン等の開発
特記事項無し
その他行政的観点からの成果
本研究によって現在までのこころの健康科学研究事業の成果及び重点的に研究が行われるべき課題が明らかとなり、今後の研究事業の課題採択の参考となる事が考えられる。
その他のインパクト
特記事項無し

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-