関節リウマチにおける間質性肺病変発症に関わる遺伝子の探索

文献情報

文献番号
200631033A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチにおける間質性肺病変発症に関わる遺伝子の探索
課題番号
H18-免疫-若手-003
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
島田 浩太(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 山田 亮(京都大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センター疾患ゲノム疫学講座)
  • 杉井 章二(独立行政法人国立病院機構相模原病院リハビリテーション科)
  • 田中 良一(東京大学医学部附属病院アレルギーリウマチ内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
7,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
関節リウマチ(RA)にしばしば合併し生命予後に大きく影響する間質性肺病変(ILD)は機序解明・治療法確立が不十分であり,又本邦では殆どの抗リウマチ薬の副作用にその記載がある。本課題ではRA関連ILDの発症に関わる遺伝的素因の探索を目的とする.
研究方法
本課題対象はILD合併・非合併RA患者.ILDとしてはUIP及びNSIPパターンが対象.別に薬剤性肺炎症例が対象.国立病院機構相模原病院リウマチ科(相模原),東京大学医学部附属病院アレルギーリウマチ内科(東大),京都大学医学部附属病院免疫・膠原病内科(京大),道後温泉病院リウマチセンター(道後)通院中のRA患者より文書による同意を得,末梢静脈血約7mlを採取,DNAを抽出.ILD合併有無は胸部高分解能(HR)CTで評価.採取ゲノムDNA検体は動物モデル・患者検体での検討でILD(含,特発性)に関連が示唆された分子及びパスウェイ上での関連分子の遺伝子についての一塩基多型(SNP)解析に供す.
結果と考察
(1)検体収集体制確立:関連各施設で倫理委員会にて承認.京大,道後,相模原で検体採取開始,3施設計1463検体を収集. (2)対象患者選定:各施設で解析対象(ILD合併RA症例及び非合併RA症例)をリストアップ.相模原:HRCT上ILD合併RA98例,ILD非合併RA126例.東大:RA患者152例で画像を検討,ILD合併例19例,非合併例60例.又アンケート法で生活職業歴収集開始. (3)疾患関連多型解析方法の検討:任意数の遺伝子内の任意数のSNPに定式化したハプロタイプ-タギングSNPのリスト化アプリケーションを作成.得られたSNPリストのジェノタイピング実験デザインに必要な情報を公共データベースより抽出・デザインアプリケーション用フォーマットで出力するルーチンを作成.小・中規模パスウェイとそのSNPセットの検定アプリケーションを作成. (4)薬剤性肺炎画像評価法の検討:メトトレキサート肺炎13症例の検討を,用語・用語解釈・読影スライス・ワークシートの統一,複数専門家の独立した読影,討議での最終的統一見解,で評価,高分解能CT所見として,瀰漫性又は斑状,肺の中枢から末梢の広がり,すりガラス影主体,上肺野優位であり,構造改変は少ないこと,を得た.CT上ILD合併RAは約1割であり十分な検体数収集には多施設協力が望ましい.我々は既に複数施設の協力を得,臨床情報・DNA検体収集を開始.又MTX肺炎のCT所見は薬剤性肺炎の検討につながる.
結論
1463検体を得,さらに継続中.

公開日・更新日

公開日
2007-07-13
更新日
-