効果的な感染症サーベイランスの評価並びに改良に関する研究

文献情報

文献番号
200628044A
報告書区分
総括
研究課題名
効果的な感染症サーベイランスの評価並びに改良に関する研究
課題番号
H18-新興-一般-015
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
谷口 清州(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 永井 正規(埼玉医科大学 疫学・公衆衛生学)
  • 鈴木 宏(新潟大学 教育研究院医歯学系)
  • 中瀬 克己(岡山市保健所)
  • 神谷 信行(東京都健康安全研究センター 疫学情報室)
  • 山本 英二(岡山理科大学 総合情報学部 生物統計学)
  • 多田 有希(国立感染症研究所感染症情報センター)
  • 倉田 毅(富山県衛生研究所)
  • 中野 貴司(国立病院機構三重病院 臨床研究部 国際保健医療研究室)
  • 西藤 成雄(西藤こどもクリニック)
  • 安井 良則(国立感染症研究所感染症情報センター)
  • 池松 秀之(福岡原土井病院臨床研究部)
  • 堀野 敦子(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
  • 角野 文彦(東近江保健所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
39,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
第一に平成18年度から稼働された新しい感染症発生動向調査システムを運用面から検討評価して、必要な点を改修し、今後の更なる改善に結びつけることである。次に疾患対策の研究者からそれぞれの疾患対策の研究において、発生動向調査全体の改善のための評価を行う。第三に実際に感染症の発生報告を担う臨床医の自発的なサーベイランスの結果から、法に基づく発生動向調査を評価することである。最終的に、班全体の議論により、実務的な発生動向調査手法改善の提言を行い、具体的な開発のための技術的な支援を行うことを目Iとする。
研究方法
発生動向調査システムの各個別システムの運用評価のグループ、疾患別、テーマ別の感染症対策についての統計学的解析、空間的解析研究グループ、そして臨床や施設においての実務的なサーベイランスグループの3つのグループにより、それぞれにおいてデータの解析を行い、またフィールド調査、アンケート調査、パイロット調査やモデル事業を行った。また一方では、具体的なツールやシステムの開発を行った。最終的にそれぞれの成果を持ち寄り、新しい感染症発生動向調査システムの評価と改善について議論を行った。
結果と考察
新しいシステムについては、運用の一年目ということで、多くの問題点と改善要望があげられた。動作速度が遅い、重複入力、還元の不備がもっとも多かったが、その他の細かい点も含めてリストを作成した。今後それらの必然性と優先順位から改修を行っていく必要がある。また病原体サーベイランスでは患者サーベイランスとの動的リンクと検体の採取や輸送についての指針が必要なことがあげられた。疾患別解析グループからは、空間伝播パターンや薬剤耐性など感染症対策に関する有用な研究成果とともに、疾患別の届出基準や戦略に直結した発生動向調査の提言も形成された。病院・施設におけるサーベイランスグループからは、施設内あるいは医師のネットワークによるサーベイランスが非常に有用な情報を提供しており、法に基づくサーベイランスとの連携の有用性が示唆された。医療機関から感染症情報センターに至るまでの発生動向調査に関連する分担研究者間での議論により現場に即した発生動向調査に向けての改善が必要とされた。
結論
運用一年目のシステムについては、本結果をもとに必要な改修につなげていく必要があるが、感染症自体が動的なものであり、今後も運用と研究の両面からの継続的な評価と改善が不可欠である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-12-14
更新日
-