緑内障の危険因子の解明による診断法の開発、緑内障マウスを用いた視神経保護薬の開発と予防・治療法への応用

文献情報

文献番号
200627022A
報告書区分
総括
研究課題名
緑内障の危険因子の解明による診断法の開発、緑内障マウスを用いた視神経保護薬の開発と予防・治療法への応用
課題番号
H18-感覚器-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
岩田 岳(国立病院機構東京医療センター臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 哲也(岐阜大学医学部眼科)
  • 溝田 淳(順天堂大学医学部浦安病院眼科)
  • 村上 晶(順天堂大学医学部眼科)
  • 西村 俊秀(東京医科大学臨床プロテオームセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
緑内障は遺伝子、環境、習慣、加齢など複数の因子によって発症する多因子疾患である。特に緑内障患者の遺伝的な背景を把握することは発症前診断を可能とし、早期に予防や治療を始めることができる。今回我々は日本人の緑内障についてリスク遺伝子の探索を行い、発症の原因解明を試みる。また、これまで困難であった、安定に供給できる緑内障動物モデルの作製を試み、各種神経薬の開発を行う。
研究方法
我々は多施設共同研究(国立病院、大学)によって収集した緑内障患者DNAについてSNPチップを用いた遺伝子多型解析を行った。また、これまで遺伝性緑内障の原因として報告されているOPTNやWDR36遺伝子の改変マウスを作製し、眼底観察、眼圧測定、網膜切片観察、神経節細胞死数の測定などを行った。
結果と考察
遺伝子多型解析の結果、複数のSNPが緑内障患者に統計学的な優位差をもって発見された。これらのSNPが位置する遺伝子はリスク遺伝子として今後の機能解析が期待される。OPTN遺伝子改変マウスによって神経乳頭陥凹や神経節細胞特異的な細胞死が観察され、正常な眼圧であることから、正常眼圧緑内障のマウスモデルが開発されたと考えている。今後、発症機序の解明に役立つだけでなく、視神経保護薬や治療薬をスクリーニングするためのバイオアッセイ系として利用することができる。
結論
我々は多施設共同研究によって緑内障リスク遺伝子を解明し、遺伝子改変マウスによって緑内障的な特徴を発症する複数のマウスモデルの開発に成功した。

公開日・更新日

公開日
2007-08-21
更新日
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