障害者の健康状態・栄養状態の把握と効果的な支援に関する研究

文献情報

文献番号
200626034A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者の健康状態・栄養状態の把握と効果的な支援に関する研究
課題番号
H18-障害-一般-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
西村 秋生(国立保健医療科学院研修企画部国際協力室)
研究分担者(所属機関)
  • 杉山 みち子(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部栄養学科)
  • 加藤 昌彦(椙山女学園大学生活科学部)
  • 大和田浩子(茨城キリスト教大学生活科学部)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 障害者自立支援法の施行に伴い、ケアマネジメントの導入等障害者への各種サービス体系の見直しが行われている。本研究は、障害者個別に対応した栄養ケアのあり方、サービスの提供体制および質の向上に寄与する科学的な根拠を提示することを目的としている。初年度は、これまでの栄養ケアに関わる研究成果について概観し、知見を整理するとともに、各種障害者サービスの現場において、栄養ケアに対する認識、実施状況等に関する全国調査を実施し、栄養ケアの実態について把握することを試みた。
研究方法
 これまでの障害者サービス領域における栄養に関する調査研究を、Medline、医学中央雑誌等複数の関連データベースから、「障害者」・「栄養」・「食(事)」のキーワードを組み合わせて検索したところ、初期検索で403件の抽出をみた。さらに、これらの予備検索の結果を内容から精査し、関連する論文の抽出を試みた。
 障害者サービスの現場における栄養ケアの実態調査については、全国から抽出した知的障害者施設1,820施設を対象として、郵送法による栄養ケアに関わるアンケート調査を実施した。
結果と考察
 関連論文を抽出した結果、本調査において対象とする領域に該当する論文の数はごく少なく、最終的には34件の論文のみが有用であった。
一方、アンケート調査の回収率は72%であった。集計解析の結果、知的障害者施設において実施されている栄養ケアには施設間差がかなり大きく、実施している施設においても現時点では、アセスメント結果をもとにした栄養ケアの実施には至っていない場合が多いこと、それが現場の管理栄養士にとっての不全感につながっていること、などが浮き彫りになった。
結論
 現時点までの障害者に対する栄養ケアに関わる研究成果を概観し、国際的な実情と我が国の位置づけを明確化することができた。この成果は、データベースとして報告できるとともに、今後の我が国の方向性を決定するに資する情報となると考えられる。また、障害者サービス現場における栄養ケアの実態調査を全国規模で実施したことにより、現時点での状況を把握することができた。この結果により、これまで学問的にあまり顧みられることのなかった領域に光を当てることができたとともに、今後のより詳細な実態調査に向けて、対象の選択にあたっても有用な情報源となり、次年度の調査研究への活用が期待される。

公開日・更新日

公開日
2007-08-21
更新日
-