都道府県等の生活習慣病リスク因子の格差及び経年モニタリング手法に関する検討

文献情報

文献番号
200624039A
報告書区分
総括
研究課題名
都道府県等の生活習慣病リスク因子の格差及び経年モニタリング手法に関する検討
課題番号
H18-循環器等(生習)-一般-037
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
吉池 信男(独立行政法人国立健康・栄養研究所 国際産学連携センター)
研究分担者(所属機関)
  • 下光 輝一(東京医科大学公衆衛生学)
  • 田嶼 尚子(東京慈恵会医科大学内科学)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院技術評価部)
  • 中村 雅一(大阪府立健康科学センター脂質基準分析室)
  • 由田 克士(国立健康・栄養研究所、国民健康・栄養調査プロジェクト)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療制度構造改革の推進を目的として、都道府県健康増進計画を充実強化することが急務となっており、計画策定及び評価のためには都道府県別に質の高いデータを収集し、相互比較及び経年変化を行うことが求められている。そこで、“モニタリング”の仕組みについて、中長期的な展望を持ちつつ、技術的な問題解決につながる研究及び手法の開発、データの利活用の検討を行うことを本研究の目的とする。
研究方法
都道府県健康・栄養調査の実施・解析に係わる技術的基盤を構築し、実用的なアウトプットを目指して研究を開始した。○習慣的な行動指標の分布を推計するための統計学的検討を行う。○身体活動・運動調査を支援するための、マニュアル等資料を作成する。○HbA1c値の新たな標準物質を用いた場合、施設間格差が存在するかを検討する。○メタボリックシンドローム(MetS)に関わる各種指標のカットオフ値を検討する。○国及び都道府県調査における血液検査の精度管理、標準化の現状及び手法・体制を検討する。○24時間思い出し法による食事調査を導入することを想定した時に必要な調査基盤の検討を行う。都道府県等栄養士を対象とした研修の企画する。○都道府県別の指標等に関する順位付けや、at risk者の割合の代わりに集団平均値を用いた評価手法を検討する。
結果と考察
○複数日調査を行う際の方法として「全地区で複数日調査を行うが各地区では無作為抽出した一部の世帯だけで複数日調査を行う」ことが実行可能性も高く、推定精度が高いことが示された。○身体活動・運動調査を支援するための調査者マニュアル、解析マニュアル、対象者への結果返却帳票を作成した。○都道府県等行政栄養士に対するセミナーを開催した。24時間思い出し法による国内外の学術的・技術的情報を収集し資料としてまとめた。○HbA1c値の新たな標準物質CRM004aを用いた場合、標準化体系を維持・構築することにより、施設間格差を是正できると思われた。○MetS構成因子を2つ以上保有するものを拾い上げるために最も適切な腹囲のカットオフ値は、男性85cm、女性80cmであった。○サンプルサイズが十分で無い場合に平均値は都道府県別指標として有用であることを確認し、指標の総合データベース化を開始した。
結論
本研究により、都道府県における調査の技術的基盤の充実・強化、及び疫学的評価技術の向上を図ることが期待される。その上に収集されたデータについて、コアとなる指標のデータベース化・HPによる公開によりデータの利活用が促進されると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-05
更新日
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