急性循環器疾患の発症登録による発症病態分析と要因解明および治療効果の評価および活用に関する研究

文献情報

文献番号
200624031A
報告書区分
総括
研究課題名
急性循環器疾患の発症登録による発症病態分析と要因解明および治療効果の評価および活用に関する研究
課題番号
H17-循環器等(生習)-一般-029
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
岡山 明(国立循環器病センター 予防検診部)
研究分担者(所属機関)
  • 宮武 邦夫(独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター)
  • 野々木 宏(国立循環器病センター 心臓内科)
  • 北風 政史(国立循環器病センター 心臓内科)
  • 峰松 一夫(国立循環器病センター 脳血管内科)
  • 成冨 博章(国立循環器病センター 脳血管内科)
  • 小久保喜弘(国立循環器病センター 予防検診部 )
  • 斎藤 重幸(札幌医科大学医学部内科学第2講座)
  • 小川 彰(岩手医科大学医学部脳神経外科学)
  • 中村 元行(岩手医科大学医学部第2内科)
  • 寺山 靖夫(岩手医科大学医学部神経内科)
  • 喜多 義邦(滋賀医科大学福祉保健医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
33,077,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
継続的に登録可能な体制を整備することにより、地域での入院を要する循環器疾患の発症患者を治療内容や重症度を含めて悉皆的に把握することで、要介護状態や生命予後との関連を明らかにする。本年度は急性循環器疾患の発症状況を把握するとともに各地区における発症登録の立ち上げを行った。
研究方法
全国4カ所、北海道帯広市、岩手県北部3医療圏、滋賀県高島市および大阪府吹田市の住民を対象とした発症登録システムを構築するため、循環器疾患を主に扱う病院を中心として発症登録協議会を組織する体制を整えた。
結果と考察
各地区の実情に応じた登録体制の整備を行った。従来の悉皆性を意識した急性循環器疾患発症登録では、研究者の自発的な取り組みにより実施されてきた。しかし、発症者の悉皆的な把握および、異動情報や要介護情報の把握を系統的に実施するには行政機関との密接な連携が必要であり、社会的な認知も重要な条件となる。登録の実務と登録データを運用する機能を区分することとし、登録の実務は研究者が中心となって組織し、登録データの運用については発症登録協議会に行政や住民代表が関わることで適正使用を確保する体制を整えた。都市部では病院間の連携をとった登録体制を整備することは困難であり、登録の質を高めるためには、各施設に於ける合意形成が重要と考えられた。
 本年度は各地区で前向き登録を開始して1年以内であるため発症登録に基づく地域間の比較は困難であった。次年度は発症登録体制の整備とその推進要因を明らかにすると共に、介護情報などを用いた予後追跡の仕組みを実践し、急性循環器疾患発症登録の仕組みが保健医療を支える社会基盤であることを実証したい。
結論
全国4地区で地域発症登録体制を整備した。急性循環器疾患の医療のあり方の検討や予防施策の評価にはこうした登録に基づくエビデンスがきわめて重要であることを実証していきたい。今後は研究を推進するとともに登録の意義や社会的な役割について広く社会に発信していくことも重要である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-12
更新日
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