職域における健康診査の効率的なプロトコールに関する研究

文献情報

文献番号
200624030A
報告書区分
総括
研究課題名
職域における健康診査の効率的なプロトコールに関する研究
課題番号
H17-循環器等(生習)-一般-015
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学医学部公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 浜口 伝博(株式会社リージャ)
  • 鎗田 圭一郎(鎗田労働衛生コンサルタント事務所)
  • 伊藤 正人(松下電器産業株式会社高槻健康管理室)
  • 吉田 勝美(聖マリアンナ医科大学 予防医学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業【がん、心筋梗塞、脳卒中を除く】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
30,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究ではこれまで厚生労働科学研究の枠組みの中で行われてきた研究成果を受け、開発されたプロトコール等のフィールドでの実証研究とそのための基盤システムの作成を行うものである。
研究方法
平成18年度研究として具体的には以下の3つの研究を行った。1)特定健診・特定保健指導事業で利用される階層化プログラムの開発を行った。また、開発したプログラムを職域の健診データに適用しシミュレーションを行った。また、国内のモデル地区での検証結果を踏まえて、階層化プログラムの修正を行った。2)多施設における実践を、現場の健康管理担当者の関与のもとで分析するためのOLAP(On-line Analytical Processing)を用いた情報システムを作成した。3)一事業所においてメタボリック症候群に着目した介入を行った。
結果と考察
1)暫定版の階層化プログラムでは保健指導対象者の数が非常に多くなることが実証されたため、階層化プログラムのロジックについて、実効性を担保するための修正を行った。2)今回開発した健康管理総合データベースを用いることで、異なった事業所で行われている健康管理活動のデータを一元的に集約し、それを対象事業所の健康管理担当者(産業医、保健師など)が多次元的に分析を行い、さらに他の事業所の類似プログラムとの比較などを通してプログラムの有効性を検証できる。3)関東の一事業所において、メタボリックシンドロームと診断された従業員51名に対して、100キロカードと体重測定、そして自己記録表を用いた介入を90日行った。その結果、32名 ( 62.7 % )がメタボリックシンドロームの基準で解除者となった。また、解除にならなかったものでも、肥満及び血液検査において改善が観察された。
結論
本研究ではこれまで厚生労働科学研究の枠組みの中で行われてきた研究成果を受け開発された特定健診・特定保健指導事業のプログラムのフィールドでの実証研究とそのための基盤システムの作成を行った。
今回我々が開発した階層化プログラムは地域・職域双方で適用可能であることが実証された。また、内臓脂肪に着目した保健指導の有用性についても実証された。

公開日・更新日

公開日
2007-04-23
更新日
-