定位放射線治療による予後改善に関する研究

文献情報

文献番号
200622043A
報告書区分
総括
研究課題名
定位放射線治療による予後改善に関する研究
課題番号
H18-がん臨床-一般-014
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
平岡 真寛(京都大学大学院 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 白土 博樹(北海道大学 医学部)
  • 永田 靖(京都大学大学院 医学研究科)
  • 晴山 雅人(札幌医科大学 医学部)
  • 山下 孝((財)癌研究会附属病院)
  • 山田 章吾(東北大学 医学系研究科)
  • 大西 洋(山梨大学 医学部)
  • 久保 敦司(慶應義塾大学 医学部)
  • 唐沢 克之(東京都立駒込病院)
  • 石倉 聡(国立がんセンター)
  • 中村 和正(九州大学 医学部)
  • 小久保 雅樹(先端医療センター)
  • 西尾 禎治(国立がんセンター東病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
18,620,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
体幹部定位放射線照射技術を用いた大線量小分割照射法によるT1N0M非小細胞肺癌に対する多施設共同研究にむけての環境整備とプロトコール作成
研究方法
本研究においては、以下の検討を行った。
1.まずJCOG0403臨床試験については、平成17年度より症例登録を開始し平成18年度も継続した。
2.次いで同試験の登録症例に関する品質管理、品質保証活動を行った。
3.国内における体幹部定位照射実態調査を行った。
4.新たにT2N0M0(Ib期)肺癌に対するプロトコールを作成した。
結果と考察
T1N0M0を対象としたJCOG0403「T1N0M0非小細胞肺癌に対する体幹部定位放射線治療第II相臨床試験」は平成16年7月20日よりIRBで承認された施設より順次症例登録を開始した。平成19年3月現在、15参加施設全施設でIRBの承認が得られ、既に標準手術可能症例登録を終了し、標準手術不能例も含めて合計117例の症例登録がなされている。 
品質管理・品質保証活動の一環として、米国ATC(Advanced technology consortium)との共同研究により、放射線治療計画データを米国へ転送し、その計画結果を再度我国からレビューするいわゆるremote case reviewが可能となった。レビューが終了した症例中1例以外はすべて放射線治療規定が遵守されており、本試験の信頼性は確保されている。 
体幹部定位照射のわが国の現状を調査する目的でアンケート調査を行った。2005年10月末までに体幹部定位照射を実施していたのは53施設で、そのうち38施設(72%)で健保請求していた。過去の治療症例の累積数は、原発性肺癌が1111例でありその内T1N0M0が637例、T2N0M0が272例であった。転移性肺腫瘍または再発肺癌症例数は702例であった。組織未確認肺腫瘍症例は291例であった。
本年度よりはT2N0M0(IB期)非小細胞肺癌に対する至適線量を決定するための線量増加試験を新たに実施すべくプロトコールを作成し、平成19年中の臨床登録開始を目標としている。
結論
 T1N0M0早期肺癌に対する定位放射線照射における多施設共同研究のプロトコールを作成し、標準手術可能症例については既に症例登録を完了し精度確認中である。また標準手術不能症例については現在も症例登録継続中である。新規にT2N0M0早期肺癌に対するプロトコールも作成し、平成19年中に症例登録開始予定である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
-