文献情報
文献番号
200622010A
報告書区分
総括
研究課題名
大腸がん肝転移症例の術後補助化学療法に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-一般-032
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 知行(愛知県がんセンター中央病院)
研究分担者(所属機関)
- 島田 安博(国立がんセンター中央病院)
- 池田 栄一(山形県立中央病院)
- 澤田 俊夫(群馬県立がんセンター)
- 高橋 進一郎(国立がんセンター東病院)
- 滝口 伸浩(千葉県がんセンター)
- 藤田 伸(国立がんセンター中央病院)
- 杉原 健一(東京医科歯科大学大学院)
- 藤井 正一(横浜市立大学総合医療センター)
- 大植 雅之(大阪府立成人病センター)
- 三嶋 秀行(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)
- 棚田 稔(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター)
- 白水 和雄(久留米大学医学部)
- 山口 茂樹(静岡県立静岡がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
大腸癌肝転移治癒切除例を対象とし、進行大腸がんに対する国際的標準治療であるオキサリプラチン(l-OHP)/5FU/ロイコボリン(LV)併用療法(FOLFOX)の術後補助化学療法の有用性を肝切除単独を対象として比較評価する(第Ⅲ相試験)。
研究方法
研究を開始した平成16年度にはオキサリプラチンの国内使用経験はなく,先ず切除不能の転移・再発大腸がんを対象とした第Ⅱ相試験を行い,その結果を基に第Ⅲ相試験の研究計画を立てることとした。平成16年度は7法あるFOLFOX療法を有効性,安全性および簡便性の点から検討してFOLFOX6を採用し,第Ⅱ相試験の研究計画を作成した。平成17年度は4月にオキサリプラチンおよび5-FUの持続静注が承認され,直ちに第Ⅱ相試験の症例登録を開始した。第Ⅱ相試験の解析結果(中間解析;平成17年9月,最終解析;平成18年3月)から,肝転移切除後の補助療法として5FUおよびLVは第Ⅱ相試験と同量とし,L-OHPの投与量を本邦での保険承認用量である85mg/m2と決定した(mFOLFOX6療法)。
結果と考察
平成18年度は第Ⅲ相試験の研究計画書を作成した。治療法は,A群:手術単独 B群;術後補助化学療法 オキサリプラチン85mg/2時間で静注day1, l-ロイコボリン200mg/2時間で静注day1, 5-FU400mg/急速静注day1, 5-FU2,400mg/46時間で持続静注day1-3, 以上を14日1コースとして12コース施行する。登録開始後78名までを肝切除例に対する第Ⅱ相試験に当て,安全性を確かめて引き続き第Ⅲ相試験を行う。Primary endpoint:第Ⅲ相部分;無病生存期間, 第Ⅱ相部分;9コース完遂割合 Secondary endpoint:第Ⅱ・Ⅲ相部分共通;全生存期間,有害事象,再発形式, 登録数と研究期間:第Ⅱ相部分;78名, 登録期間;1年, 第Ⅲ相部分;300名(Ⅱ相部分を含む)登録期間;3年。本試験の症例集積を予定の3年間で終わるために, 日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)大腸がん外科グループ38施設の共同研究とすることとした。本研究計画は平成19年1月にJCOG審査委員会で承認された。更に,本研究では1)オキサリプラチンの効果・有害反応等に関連するバイオマーカーの探索2)FOLFOX6に伴う肝障害に関する研究の2つの付随研究を計画している。
結論
大腸がん肝転移切除後の補助化学療法:mFOLFOX6の有用性を検証する研究計画を作成した。平成19年度からJCOG大腸がん外科グループの共同研究として症例集積を行う。
公開日・更新日
公開日
2007-04-10
更新日
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