局所限局非小細胞肺がんの集学的治療に関する研究

文献情報

文献番号
200622005A
報告書区分
総括
研究課題名
局所限局非小細胞肺がんの集学的治療に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-一般-027
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 治文(東京医科大学病院外科学第一講座)
研究分担者(所属機関)
  • 一瀬 幸人(国立病院九州がんセンター腫瘍外科)
  • 岡田 守人(兵庫県立成人病センター呼吸器外科)
  • 國頭 英夫(国立がんセンター中央 総合病棟部)
  • 小池 輝明(新潟県立がんセンター新潟病院腫瘍外科)
  • 近藤 丘(東北大学加齢医学研究所呼吸器外科)
  • 鈴木 健司(国立がんセンター中央病院呼吸器外科)
  • 多田 弘人(大阪市立総合医療センター呼吸器外科)
  • 坪井 正博(東京医科大学病院外科学第一講座)
  • 太田 三徳(大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター呼吸器外科)
  • 光冨 徹哉(愛知県がんセンター腫瘍外科)
  • 吉田 純司(国立がんセンター東病院呼吸器外科)
  • 山本 信之(静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
34,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
A. 研究目的:
1)奏効率・毒性の異なる二種類の化学療法レジメンから術前・術後化学療法への適性を検討し、臨床第Ⅲ試験の試験治療を決定する。
2)臨床病期(c-Stage)IB-II非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術後化学療法の安全性および有用性を検証し、本邦における術後化学療法レジメンの妥当性を検討する。
3)臨床病期(c-Stage)IB-II非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術前化学療法の有用性を検討する。
研究方法
B. 研究方法
前研究では、臨床病期 IB-II 非小細胞肺癌症例における至適治療レジメンを決定する。次いで、本研究では、まず術後の標準的化学療法レジメンを決定する比較試験(研究A)を行った後、先に決定された術前化学療法+手術群を手術+術後補助療法群を対照とした比較試験(研究B)で検証する。エンドポイントは生存率もしくは無再発生存割合。
3年計画終了時に研究継続が認められた場合、5年生存率を算定できるまで症例集積治療及び追跡を行って最終解析を行う。

結果と考察
C. 研究結果
本邦における術後補助化学療法の当該病期における妥当なレジメンを決定する大規模臨床試験(本研究A)のコンセプトシートを作成した。対象集団をプラチナ製剤の有効性が示されたII、III期と本邦においてのみ有効性が示されたIB期に分けて、新たに大規模臨床試験を計画する方針とした。IB期においてはUFT投与群を対照として経口抗がん剤であるテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(S-1)の有用性を評価する試験を、II-IIIA期に対しては、プラチナ製剤を含む2剤併用療法投与群を対照として経口剤もしくは分子標的薬剤の維持療法としての上乗せ効果を検証する試験をそれぞれ検討中である。

D. 考察
術後補助療法として比較的毒性の少ない抗がん剤を長期投与することが良いのか、あるいは相応の毒性のある抗がん剤を進行癌と同様に短期的に投与するのが良いのかという術後補助治療コンセプトあるいは効果のメカニズムに関わる重要な情報を提供する可能性があり、研究の意義は大きい。また、この試験の結果は手術対象病期の非小細胞肺癌の標準的治療を確立するものであり、一般診療に情報還元するとともに、今後の臨床試験のデザインの礎となると予想される。

結論
E. 結論
本研究(研究A)は、2007年3月末現在試験実施計画書作成中であり、本研究の結論は得られなかった。

公開日・更新日

公開日
2007-10-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-02-28
更新日
-

文献情報

文献番号
200622005B
報告書区分
総合
研究課題名
局所限局非小細胞肺がんの集学的治療に関する研究
課題番号
H16-がん臨床-一般-027
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 治文(東京医科大学病院外科学第一講座)
研究分担者(所属機関)
  • 一瀬 幸人(国立病院九州がんセンター腫瘍外科)
  • 岡田 守人(兵庫県立成人病センター呼吸器外科)
  • 國頭 英夫(国立がんセンター中央 総合病棟)
  • 小池 輝明(新潟県立がんセンター新潟病院腫瘍外科)
  • 近藤 丘(東北大学加齢医学研究所呼吸器外科)
  • 鈴木 健司(国立がんセンター中央病院呼吸器外科)
  • 多田 弘人(大阪市立総合医療センター呼吸器外科)
  • 坪井 正博(東京医科大学病院外科学第一講座)
  • 太田 三徳(大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター呼吸器外科)
  • 光冨 徹哉(愛知県がんセンター腫瘍外科)
  • 吉田 純司(国立がんセンター東病院呼吸器外科)
  • 山本 信之(静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臨床病期(c-Stage)IB-II非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術後化学療法の安全性および有用性を検証し、本邦における術後化学療法レジメンの妥当性を検討する。
本研究の必要性:最近、プラチナを用いた術後化学療法の有用性が当該病期において明らかになり、世界的に術後補助化学療法が「標準的治療」の一角を担いつつある。本邦では当該病期の一部(IB)の術後補助療法としてテガフール・ウラシル(UFT)の有効性が明らかになったが、欧米では当該病期に対してプラチナ製剤を含む2剤併用療法を標準的レジメンとしている。後者は本邦における安全性は確立しておらず、まずは標準的治療群に組み込まれるべき治療レジメンを決定する大規模比較試験が必要である
研究方法
本研究では、まず術後の標準的化学療法レジメンを決定する比較試験(研究A)を行った後、先に決定された術前化学療法+手術群を手術+術後補助療法群を対照とした比較試験(研究B)で検証する。エンドポイントは生存率もしくは無再発生存割合。
結果と考察
研究結果:本邦における術後補助化学療法の当該病期における妥当なレジメンを決定する大規模臨床試験(本研究A)のコンセプトシートを作成した。対象集団をプラチナ製剤の有効性が示されたII、III期と本邦においてのみ有効性が示されたIB期に分けて、新たに大規模臨床試験を計画する方針とした。IB期においてはUFT投与群を対照として経口抗がん剤であるテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(S-1)の有用性を評価する試験を、II-IIIA期に対しては、プラチナ製剤を含む2剤併用療法投与群を対照として経口剤もしくは分子標的薬剤の維持療法としての上乗せ効果を検証する試験をそれぞれ検討中である。
考察:術後補助療法として比較的毒性の少ない抗がん剤を長期投与することが良いのか、あるいは相応の毒性のある抗がん剤を進行癌と同様に短期的に投与するのが良いのかという術後補助治療コンセプトあるいは効果のメカニズムに関わる重要な情報を提供する可能性があり、研究の意義は大きい。また、この試験の結果は手術対象病期の非小細胞肺癌の標準的治療を確立するものである。
結論
本研究(研究A)は、2006年3月末現在試験実施計画書作成中であり、本研究の結論は得られていない。

公開日・更新日

公開日
2007-10-16
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200622005C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本邦における術後補助化学療法の局所早期(病理病期IB-IIIA期)非小細胞肺癌における妥当なレジメンを決定する大規模臨床試験(本研究A)のコンセプトシートを作成した。対象集団をプラチナ製剤の有効性が示されたII、III期と本邦においてのみ有効性が示されたIB期に分けて、新たに大規模臨床試験を計画する方針としたが、2007年3月末現在試験実施計画書作成中であり、本研究の結論は得られていない。
臨床的観点からの成果
IB期非小細胞肺癌においてはUFT投与群を対照として経口抗がん剤であるテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(S-1)の有用性を評価する試験を検討中である。術後補助療法として比較的毒性の少ない抗がん剤を長期投与することが良いのか、あるいは相応の毒性のある抗がん剤を進行癌と同様に短期的に投与するのが良いのかという術後補助治療コンセプトあるいは効果のメカニズムに関わる重要な情報を提供する可能性があり、研究の意義は大きい。
ガイドライン等の開発
最近の研究成果から局所早期(病理病期IB-IIIA期)非小細胞肺癌に対する術後補助化学療法が当該病期の「標準的治療」として世界的に認知されてきた。本邦の「肺癌診療ガイドライン」では推奨グレードBに位置づけられる。本邦ではIA期の一部とIB期でテガフール・ウラシル(UFT)の有効性が明らかになっており(N Eng J Med2004;350:1713,J ClinOncol2005;23:4999),本研究の結果は将来的に病理病期I期非小細胞肺癌の標準的治療を確立するものと期待されている。
その他行政的観点からの成果
現在の添付文書にはテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(S-1)の局所早期非小細胞肺癌に対する術後化学療法の有用性は明示されていないが、本研究の結果はその記載を変える可能性がある。
その他のインパクト
本研究は2007年3月末現在試験実施計画書作成中であり結論が得られていないため、特記すべき事項はない。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
30件
その他論文(和文)
0件
特記すべき事項はない。
その他論文(英文等)
0件
特記すべき事項はない。
学会発表(国内学会)
7件
学会発表(国際学会等)
41件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
特記すべき事項はない。
その他成果(施策への反映)
0件
特記すべき事項はない。
その他成果(普及・啓発活動)
0件
特記すべき事項はない。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
なし
なし
なし

公開日・更新日

公開日
2015-09-24
更新日
-