介護保険制度における栄養ケア・マネジメント事業評価に関する研究

文献情報

文献番号
200619075A
報告書区分
総括
研究課題名
介護保険制度における栄養ケア・マネジメント事業評価に関する研究
課題番号
H18-長寿-一般-017
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 みち子(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 栄養学科)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤昌彦(椙山女学園大学生活科学部)
  • 合田敏尚(静岡県立大学食品栄養科学部)
  • 西村秋生(国立保健医療科学院研修企画部)
  • 高田和子(独立行政法人国立健康・栄養研究所健康増進研究部)
  • 太田貞司(神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部社会福祉学科)
  • 臼井正樹(神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部社会福祉学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
介護保険制度におけるNCM(以下NCM)事業の評価を行い、サービスの質の向上や今後の制度改正の根拠を提示するため、初年度は、1.施設における1年目のNCM業務評価、2.栄養NCM業務時間調査法の作成、3.効果的なNCMの検討のための研究計画作成及びエビデンスのレビューを行うことを目的とする。 
研究方法
1.無作為抽出した介護保険施設2,826施設に、郵送によるNCM業務評価調査の実施、2. 16施設32名の管理栄養士を対象とした「NCMの業務時間調査」プレテスト、3.1の結果から選出した65施設を対象とした匿名化したNCM帳票の収集計画及びエビデンス表の作成を行った。
結果と考察
1.①栄養管理体制及び栄養マネジメント加算は9割以上が請求し、未請求理由は、管理栄養士の採用困難であり、②経口移行・経口維持加算の請求施設は1-3割と少なく、未請求理由は、「嚥下の評価が困難」であった。③施設併設通所サービス事業所の栄養改善及び栄養マネジメント加算請求は1割程度と低かった。④管理栄養士は100床当たり平均1.7名配置され、NCMの主担当者であったと。⑤NCMの30項目の手順は、8-9割の施設で実施され、「生活機能、身体機能、主観的健康感、満足度等の評価」は6割程度、「継続的な品質改善活動」は5割の施設を下回った⑥低栄養状態の中・高リスク者は、BMI及び血清アルブミン値4割前後、体重減少率及び食事摂取量1.5-2割程度であった。3ヵ月後の低栄養状態の改善は、BMI約2割、体重減少率5-6割、血清アルブミン値2割以上、食事摂取量約3割であり、経腸・静脈栄養法から経口への移行者は1割程度、褥瘡の改善は4割に認められた。また、低栄養状態の低リスク者の9割前後は、3か月後も維持していた。2.NCM業務時間調査はコンピュタ-プログラム化された。3.効果的なNCMの検討のための研究計画及びエビデンス表が作成できた。
結論
1.の結果から介護保険施設におけるNCMの改善すべき体制やプロセス上の課題が明らかになったので、次年度は継続して2,3の課題を分析し、業務の効率化のあり方、栄養改善に有効なNCM取り組み方を具体的に提示するとともに、施設に対しては2年目、通所サービス事業所においては1年目の事業評価を行うことができる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-30
更新日
-