多様な世代及び心身の状態に着目した要介護状態の評価指標の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200619070A
報告書区分
総括
研究課題名
多様な世代及び心身の状態に着目した要介護状態の評価指標の開発に関する研究
課題番号
H18-長寿-一般-012
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 英俊(国立長寿医療センター包括診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 安西 信雄(国立精神・神経センター 社会精神保健学)
  • 坂本 洋一(和洋女子大学 家政学部 生活環境学科 障害者福祉論)
  • 西村 秋生(国立保健医療科学院 医療行政学・生物統計学)
  • 湯汲 英史((社)精神発達障害指導教育協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では以前より多様な障害に対応したケアコードの見直し、新たな状態調査表の作成の検討を行ってきた。その成果の一部は障害者自立支援法の区分判定に活かされた。今年度は多様な障害に対する介護ニーズを測定する大規模1分間タイムスタディを実施する場合に必要となる、新しいケアコード、調査表、マニュアルの作成、調査員用ビデオの作成等の実施方法を開発し、その方法の信頼性の検討を行うことを目的とした。
研究方法
1分間タイムスタディは過去に実施されたが、旧来型の高齢者施設で生活する高齢者が対象であり、在宅の多様な障害をもつ者に対しても対応可能となるようケアコードや状態調査表などの評価方法を新しく開発した。タイムスタディは、今年度は多様な障害を持つ介護施設生活者、および小規模ではあるが、GH利用者を調査の対象とし、実際にサービスが行われている間、サービス提供者が対象者に直接提供するケアの内容を調査員が1分おきに48時間観察し調査票に記録した。タイムスタディの終了後、実施方法に対する検討を行った。また評価者間の信頼性の検討、ケアを分類するケアコードの検討と修正も行った。
結果と考察
多様な障害に対応した新しいケアコードと状態調査表を作成し、国の事業である1分間タイムスタディを実行可能とするための調査員研修マニュアル、ビデオの作成を行い、実際の調査員の説明会において利用した。さらに小規模な予備調査を行い、多様な障害をもつ施設利用者とケア提供者に適用して評価を行ったところ、調査の信頼性の確認ができ、十分に実施可能であることを明らかにした。また分担研究においては精神障害の介護ニーズの評価のために評価者間の信頼性の検討を行った。また予備調査に参加した調査員の課題についても検討し、有益な情報を得た。発達障害に関わる評価についても予備的研究を試行した。
結論
多様な障害者の介護ニーズを適正に把握するために、ケアコードと状態調査表の作成を行い、予備調査として介護施設の高齢者と障害者を対象に小規模なタイムスタディを行った。その結果、調査方法は実施可能であったが、改善すべきいくつかの課題が見いだされ、より改善したものを作成した。次年度は今回国の事業で得られた膨大なデータを分析、検証し、新しい要介護認定基準を検討する計画である。さらに方法論を検討し、介護ニーズの定量化に資する検討を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-16
更新日
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