特別養護老人ホームにおけるサテライト居住と本体改修に関する研究

文献情報

文献番号
200619067A
報告書区分
総括
研究課題名
特別養護老人ホームにおけるサテライト居住と本体改修に関する研究
課題番号
H18-長寿-一般-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
井上 由起子(国立保健医療科学院施設科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 三浦研(大阪市立大学大学院生活科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、サテライト型特別養護老人ホームにおける利用者効果と運営実態、それに伴う本体施設の実質的な定員削減による個室ユニット化改修の進捗状況を把握したうえで、その意義と効果を検証し、利用者の居住環境の改善と地域居住を推進するための課題を考察しようとするものである。
研究方法
以下の3つの調査研究を実施した。
1.サテライト型特養における運営ならびに本体改修計画に関する調査
 全国5カ所のサテライト型特養を対象にアンケート調査と現地ヒアリング調査を実施した。
2.既存特別養護老人ホームの改修時の法規上ならびに施工上の課題に関する研究
 改修にあたっての法規ならびに技術的課題について、現地視察のうえ課題抽出を行った。
3.既存特別養護老人ホームにおける浴室分散化の効果に関する研究
 浴室の分散化が介護内容に与える効果について介護職員行動観察調査、小型運動記録器歩数測定 を通して客観的に調査した。
結果と考察
1.サテライト型特養は自宅が近傍にある者が多く、家族訪問の増加が確認された。サテライト単体で整備されている例は一つもなく、いずれもが居宅サービスを併設し、在宅と施設という垣根をこえた地域の拠点として整備されている。小規模ながらも複数事業を展開することで、職員の効率的かつ効果的な配置や設備の共有化が図られていた。
2.本体施設の改修に関しては、施設によって取り組み状況に違いがあった。しかしながら、いずれの施設とも、介護単位の小規模化、食堂の分散配置、キッチンの整備などユニットケアに向けた各種の試みを実施していた。法規ならびに技術的課題としては、新耐震基準への適合、建築基準法への適合、改修中の避難計画、設備計画上の対応の困難さ、居住しながらの工事手順の複雑化などが確認された。 
結論
1.サテライト型特養では、総じて住み慣れた地域での生活が保障されるとともに、居宅サービスを併設することで施設機能の地域展開が図られていた。
2.本体施設の改修は施設によって取り組み状況に違があるものの、いずれもがユニットケアの推進を図っていた。
3.改修に伴う法規ならびに技術的課題が抽出された。

公開日・更新日

公開日
2007-03-30
更新日
-