老化とその要因に関する長期縦断的疫学研究

文献情報

文献番号
200619043A
報告書区分
総括
研究課題名
老化とその要因に関する長期縦断的疫学研究
課題番号
H17-長寿-一般-033
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
下方 浩史(国立長寿医療センター研究所疫学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田英世(東京都老人総合研究所)
  • 葛谷雅文(名古屋大学医学部)
  • 中川正法(京都府立医科大学)
  • 安藤富士子(国立長寿医療センター研究所疫学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
34,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は日本人の老化および老年病に関する詳細な縦断的データを収集し老化像を明らかにし、老化および老年病に関する危険因子を解明して高齢者の心身の健康を守る方法を見いだすことを目的にしている。
研究方法
国立長寿医療センター老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)は基幹施設での地域住民を対象とした老化の学際的縦断調査である。対象者は当センター周辺の40歳から79歳までの地域住民からの無作為抽出者である。施設内で、頭部MRIなどの各種医学検査、包括的心理調査、運動調査、写真記録を併用した栄養調査など2,000名をこえる対象者の全員に2年に一度ずつ、毎日7名を朝9時から夕方4時まで業務として行っている。さらに全国の分担研究者と協力し、都市、農村、離島における老化の進行の研究、特殊な診断技術や方法論を必要とする神経学的検査所見の縦断的研究についての研究も行った。
結果と考察
平成18年度は、NILS-LSAでは第4次調査を平成18年7月に終了し、引き続いて第5次調査を実施中である。平成19年2月末現在744名の調査が終了している。NILS-LSAの医学、栄養、心理、運動、身体組成の各分野で検討を進めた。今年度は終了した第4次調査の全データの照合、確認が終了し、モノグラフを作成しインターネット上で公開した。このように包括的かつ詳細な老化の基礎データの公開は他にほとんど例のないものである。調査開始以来、専門学術雑誌への発表や学会発表など500を超える成果の発表を行っている。個別研究では、離島の在宅高齢者を対象とした神経学的診察所見の10年間の検討で、握力、下肢バランス機能が加齢の影響を最も受けること、表在感覚は加齢による影響を受けにくいことを明らかにした。10万人の大規模集団での16年間のデータをもとに喫煙とメタボリック・シンドロームの有病率の加齢変化を明らかにした。また農村の地域在住高齢者の10年間の追跡の検討では、血清アルブミン低値の者でADLやIADLの自立度が有意に低下しやすいことが確認された。
結論
長寿医療センターでの長期縦断疫学研究では第4次調査を終了し、第5次調査を開始した。第4次調査の結果をまとめモノグラフを作成し、老化に関連するさまざまな検査値の加齢変化を明らかにした。また各班員はそれぞれのコホートで縦断的個別研究を行い、神経機能、メタボリック・シンドローム、健康指標の加齢変化を明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2007-04-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-11-27
更新日
-