広域歩行支援装置の柔軟な操作性に関する研究

文献情報

文献番号
200619009A
報告書区分
総括
研究課題名
広域歩行支援装置の柔軟な操作性に関する研究
課題番号
H16-長寿-一般-020
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
岡村 宏(芝浦工業大学システム工学部機械制御システム学科)
研究分担者(所属機関)
  • 川上 幸男(芝浦工業大学システム工学部機械制御システム学科)
  • 山本 紳一郎(芝浦工業大学システム工学部機械制御システム学科)
  • 松下 潤(芝浦工業大学システム工学部環境システム学科)
  • 石濱 正男(神奈川工科大工学部自動車システム開発工学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
15,556,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
電動モータ、マルチハンドルの支持荷重センサーシステム、キャスターの作動角制御の開発を中心とし、同時に本研究の3年目としての歩行支援機の総合評価を行う。
研究方法
電動モータは、既存のものに要求仕様を満足するものがなく、インホイールモータの開発等を行った。ハンドルのセンサーはマルチハンドの三次元方向の荷重を独立して測定できるシステムを開発し、歩行者の歩行意思を反映するシステムとする。キャスター車輪が安定しない砂利道や凸凹路での直進安定性を作動角制御で解決する。複数の研究分担者による複数の歩行支援機が用意され、広い範囲の使用条件に対する評価を行う。
結果と考察
個別のディバイスは、ほぼ所望の性能を得ることができた。その結果、タイプの違う4種類の歩行支援機が完成し、評価試験が行われた。総合的にも目標を達成しているが、更に、のぼり坂や高い段差等での俊敏な動作を実現するには、やや電動モータの出力が不足している点、人ごみでの接触や衝突への柔軟な対応が必要な点、長時間の歩行外出に座位等での移動も可能とする安心システム、歩行時のつまづき等による転倒防止への万全の対策などが今後要望されることがわかった。
結論
従来の歩行器に対して、多くの面で市街地歩行の支援が可能となる歩行支援機が提案できた。このような歩行支援機が普及するために必要な要件を調べいくつかの課題が抽出された。出来得ればこれら上述の機能向上も含め、普及のための実証試験等の研究が今後必要となる。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-

文献情報

文献番号
200619009B
報告書区分
総合
研究課題名
広域歩行支援装置の柔軟な操作性に関する研究
課題番号
H16-長寿-一般-020
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
岡村 宏(芝浦工業大学システム工学部機械制御システム学科)
研究分担者(所属機関)
  • 川上 幸男(芝浦工業大学システム工学部機械制御システム学科)
  • 山本 紳一郎(芝浦工業大学システム工学部機械制御システム学科)
  • 松下 潤(芝浦工業大学システム工学部環境システム学科)
  • 石濱 正男(神奈川工科大工学部自動車システム開発工学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者の歩行能力維持のため、歩行に不安を持っている人に市街地等含む広域での歩行支援を行い、転倒などのリスクの回避と共に、歩行器使用に対する多くのバリアを通過できる柔軟な操作性を付与することを目的とする。
研究方法
歩行支援に適した小廻りの効く小径車輪(径200mm)を有する3,4輪の歩行支援機に対して、電動モータによる動力アシスト、色々な身体支持方法に対応するマルチハンドル(グリップ、ひじ支持等)と支持荷重によって歩行者の歩行意思を判断し操縦支援を行うシステムを構築する。更に、小径車輪での段差乗り越し性能を有する装置、キャスター車輪の回転角度を制御し直進性と小回り性の両立する装置等の市街地のバリアを安定して通過できるディバイス等のバリエーションを用意して、利用者に適合するように、幅の広い歩行支援レベルでのカスタマイズを可能とする。
結果と考察
以上より、市街地の50mm高さの段差通過が可能となり、車いす用に設定されているバリアフリー地域だけでなく、一般的な市街地でも実用性のあるバリア通過能力を得ることができた。また、回転角制御のキャスターは、不整地での直進性と狭い場所での小回り性(含む電動モータによるパワーステアリング機能)を両立させ、前進アクセル用操作レバーレスを採用して複雑でリスクの大きい歩行動作に専念できるパワーアシストを実現した。マルチハンドルは、歩行能力レベルや身体の疲労度によって複数の腕支持方式を可能とし、半身不随者でも直進を可能とした。
結論
歩行リスクを排除して、バリアの多い市街地での安定した歩行支援を可能とする歩行支援機の基本モデルの開発ができ、多くの利用者に柔軟に適合することができた。更に、評価試験を通じて、歩行リスクを徹底排除し、マシンストレスなしで楽しい歩行が可能となる機能の追加が抽出された。今後は、これらを玉成し、その効果を発揮することを見極める実証試験等を行い、歩行支援機が普及して使用され、高齢者の歩行能力の維持に貢献することを推進する。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200619009C