ストレス遺伝子チップを用いた医薬品の副作用機構の解明と、副作用のない新規医薬品開発戦略の確立

文献情報

文献番号
200612008A
報告書区分
総括
研究課題名
ストレス遺伝子チップを用いた医薬品の副作用機構の解明と、副作用のない新規医薬品開発戦略の確立
課題番号
H17-トキシコ-一般-007
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
水島 徹(熊本大学大学院医学薬学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 大塚 雅巳(熊本大学大学院医学薬学研究部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 トキシコゲノミクス研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
11,195,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
改良型ストレス遺伝子チップを開発し、それを用いて医薬品の副作用機構の解明、及び副作用のない医薬品の開発を行う。医薬品副作用に関する感受性の個人差を規定する遺伝子多型を同定し、感受性を予測するシステムを確立する。
研究方法
ストレスとしては、NSAIDs、アルコール、活性酸素を使用した。細胞に各ストレスを与えた時に誘導される遺伝子を、既存のDNAチップ(ゲノム情報からランダムに遺伝子をチップ化したもの)を使って検索した。また我々が既に作成しているストレス遺伝子チップも用いた。一方未知の遺伝子の発見を目指して、ディファレンシャルディスプレイ法でも検索を行った。同定された遺伝子に関しては、RT-PCR法で確認するともに、DNAチップに用いるための配列をコンピューターを使って検索した。
我々が見いだしたNSAIDsの膜傷害性に関する構造活性相関を基に、新たに30種のNSAIDsを合成した。また大正製薬、及び三共から1000種以上のNSAIDsを入手した。まずこれらの膜傷害性を我々が特許化している方法で調べ(一次スクリーニング)、次に細胞傷害性をモルモット胃粘膜初代培養細胞で調べた(二次スクリーニング)。さらにCOX阻害活性を確認しCOX-2選択性を持たないものを選択した後(三次スクリーニング)、動物実験で胃潰瘍副作用と抗炎症作用を調べた。
結果と考察
改良型ストレス遺伝子チップを開発した。
膜傷害性のないNSAIDsを化学修飾し最適化を図った。その結果、臨床開発すべき化合物を得た。
薬剤性間質性肺炎の原因となっている医薬品を改良型ストレス遺伝子チップで解析し、それらが抗炎症タンパク質を減少させることを見出した。
結論
本研究により、トキシコゲノミックスの有用性が示された。

公開日・更新日

公開日
2007-07-10
更新日
-