テラヘルツ波によるラベルフリーバイオチップシステムの開発

文献情報

文献番号
200609048A
報告書区分
総括
研究課題名
テラヘルツ波によるラベルフリーバイオチップシステムの開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H18-ナノ-若手-003
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
小川 雄一(国立大学法人東北大学大学院農学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 林 伸一郎(独立行政法人理化学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
テーラーメイド医療やライフサイエンス研究現場での利用を目指した『簡便かつ安価なラベルフリーバイオチップシステムの開発』を目的とする。
研究方法
安価で簡便な分析法には,検査試薬や検査時間の削減,煩雑な手順の軽減による検査の省力化が挙げられる。本研究では、テラヘルツ波の性質を利用することで、印刷技術を利用したバイオチップに関する基礎研究及び超小型テラヘルツ波光源を組み合わせたシステムの開発を行う。平成18年度では,金属メッシュを用いた基礎研究を実施し,蛋白質の微量分析さらには小型テラヘルツ光源の開発を行った。
結果と考察
平成18年度においては金属メッシュによる原理検証・特性評価およびサンプル特性のデータ収集を実施した。この結果、赤外領域で古くから研究されていた導電性周期構造体の透過特性の経験則による計算式がテラヘルツ領域においても適応可能であることが明らかになった。また、集光光学系の用いることで、透過特性に急峻なディップ構造を得ることができ、このディップのシフトを読み取ることで高感度な計測が可能であることが確認され,直接固定化された蛋白質においては,ngオーダーでの判別に成功した。一方、印刷技術によるメッシュ作成も試作を進めており、金属メッシュのようなバンドパス特性を確認した。
結論
本研究では、金属メッシュを使ったセンサの動作確認を行うと同時に、印刷によるメッシュセンサの試作および性能評価を行った。今回の実験を通じて、金属メッシュによる実験結果から、本手法がセンサとして利用できることが確認された。現在、金属メッシュ上での抗原抗体反応の有無を蛍光などの標識を用いることなく判別する実験を進めている。また印刷メッシュに関しては、金属メッシュのような動作が確認できたことから、今後さらなるインクや印刷精度の改善による性能向上を検討している。一方、シミュレーションによる解析結果から、実験系の光学的な改善による高感度化が期待できることが明らかとなったため、現在この改善内容を織り込んだ実験系の構築を予定している。

公開日・更新日

公開日
2007-05-24
更新日
-