PETを用いた多施設共同臨床試験によるアルツハイマー病の超早期診断法の確立と普及

文献情報

文献番号
200609043A
報告書区分
総括
研究課題名
PETを用いた多施設共同臨床試験によるアルツハイマー病の超早期診断法の確立と普及
課題番号
H18-ナノ-一般-011
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
谷内 一彦(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科機能薬理学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 岡村信行(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科機能薬理学分野)
  • 工藤幸司(国立大学法人東北大学 先進医工学研究機構)
  • 青木康(住友重機械工業株式会社 技術開発センター)
  • 伊藤 健吾(国立長寿医療センター研究所 長寿脳科学研究部)
  • 石渡喜一(東京都老人総合研究所)
  • 岩田 錬(国立大学法人東北大学 サイクロトロンRIセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
30,770,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
東北大学、国立長寿医療センター、東京都老人総合研究所による多施設共同臨床研究により、PET脳内アミロイドイメージングによるアルツハイマー病の超早期診断法を確立する。
研究方法
1.[11C]BF-227を用いた探索的臨床試験:東北大学、東京都老人総合研究所、国立長寿医療センターの研究グループで打ち合わせ会合を持ち、さらにメール審議で共通プロトコールの作成を行い、探索的臨床試験を開始した。。
2.PETアミロイドイメージング用新規18F-化合物の基礎開発:東北大学を中心に、動物(主にトランスジェニックマウス)やアルツハイマー病脳を用いてBF-227に関連するbenzoxazole誘導体をスクリーニングした。F18標識合成法を東北大学で確立して、マウスでその体内動態の評価を行った。
3.[18F]自動標識合成装置の超小型化:東北大学と住友重機械工業株式会社と共同で超小型自動標識合成装置を試作し、それを用いて標識合成を東北大学サイクロトロンRIセンター内で試験的に行った。
結果と考察
平成18年度は主に東北大学と東京都老人研で[11C]BF-227を用いた探索的臨床試験を行った。東北大学で解析を終了した症例数は25例で、老人研では4症例であった。簡易的な評価スケールである小脳と関心領域との比(SUVR)で主に結合を評価した。[11C]BF-227-PETでの探索的臨床試験の結果は [11C]PIB-PETでの結果とほぼ類似し、[11C]BF-227-PETでアミロイド蓄積が非侵襲的に測定できることが判明した。半減期の短いC-11からF-18標識benzoxazole誘導体プローブへの展開を図るために、脳からの排出が早くしかも脱フッ素の生じない2種類のF-18化合物のスクリーニングに成功した。
結論
Benzoxazole誘導体プローブを用いたアルツハイマー病の超早期診断法の確立と普及にめどがついた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-06
更新日
-