臍帯血を用いる造血幹細胞移植技術の高度化と安全性確保に関する研究

文献情報

文献番号
200608045A
報告書区分
総括
研究課題名
臍帯血を用いる造血幹細胞移植技術の高度化と安全性確保に関する研究
課題番号
H17-再生-一般-014
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 俊一(東海大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 恒夫(東京大学 医科学研究所)
  • 安藤 潔(東海大学 医学部 )
  • 東 英一(三重大学 医学部)
  • 高梨 美乃子(東京都赤十字血液センター)
  • 中林 正雄(愛育病院)
  • 坂巻 壽(東京都立駒込病院)
  • 高橋 聡(東京大学 医科学研究所)
  • 磯山 恵一(昭和大学 藤が丘病院)
  • 甲斐 俊朗(兵庫医科大学)
  • 加藤 剛二(名古屋第一赤十字病院)
  • 谷口 修一(虎の門病院)
  • 熱田 由子(名古屋大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
41,055,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臍帯血の採取から始まり、臍帯血幹細胞の分離と保存、臍帯血の提供体制、臍帯血の移植と長期経過調査にいたるまでの一連のプロセスのすべてについて検証し、わが国における臍帯血移植と臍帯血バンク事業が一般医療として確立されるための研究を組織的に行うことを目的とする。
研究方法
研究内容は臍帯血移植と再生医療に関する基礎的研究、臍帯血の提供体制に関する基盤整備、臍帯血の移植方法の改良と確立に関する臨床的研究の3つに大別して、それぞれの分担研究者を中心として、順次開始されている。
結果と考察
主な研究結果を分担研究者毎に記述する。
(1)基礎的研究
・安藤潔;臍帯血の骨髄内移植法に関する基礎的検討が進み、クローンレベルで造血幹細胞の動態を解析するアッセイ法が開発された。
・東英一;臍帯血移植後のウイルス感染症に対する新しいDCワクチンの開発に関する基礎的検討が進み、麻疹ウイルスに対する臨床応用可能なDCワクチンが作成された。
・高橋恒夫;臍帯血を利用した再生医療の開発に関する基礎的検討が進み、臍帯血由来間葉系幹細胞の特徴が明らかにされた。
(2)提供体制の基盤整備
・中林正雄;臍帯血採取方法の改良ためのDVD「より細胞数の多いさい帯血採取のために」を臍帯血採取施設に配布し、カンガルーケアの普及が図られた。
・高梨美乃子;臍帯血バンクにおいて実施されている臍帯血幹細胞の品質評価方法について施設間比較と再現性試験が実施され、標準的方法の検討が進められた。
(3)臨床的研究
・甲斐俊朗;複数臍帯血移植の臨床研究が開始され、本年度は23例が登録され、当初の目標どおりの進捗状況であった。
・高橋聡;成人における至適治療法確立のための前向き臨床研究の研究計画が確定した。
・磯山恵一;小児おける至適治療法確立のための前向き臨床研究の研究計画立案が完了し、参加施設での倫理審査が進められている。
・谷口修一;高齢者における至適治療法確立のための臨床研究が進められている。
・加藤剛二;臍帯血移植後の感染症に関する詳細な解析が進められ、細菌感染症についてのリスク因子の検討が行われている。
・熱田由子;これらの臨床研究を実施するための基盤整備と、臨床成績解析のための基盤整備が進められ、臨床研究の進捗管理、データの一元化体制が確立した。
結論
臍帯血を用いる造血幹細胞移植技術の高度化と安全性確保に関する研究班の2年目の研究が順調に進み、より多くの細胞数を含む臍帯血の採取法の普及、臍帯血幹細胞の評価法の標準化、臨床研究の開始などの成果が得られている。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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