Health Impact Assessmentに関する包括的研究

文献情報

文献番号
200601051A
報告書区分
総括
研究課題名
Health Impact Assessmentに関する包括的研究
課題番号
H18-政策-若手-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
藤野 善久(産業医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 松田 晋哉(産業医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
2,960,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、諸外国では政策の計画時にHealth Impact Assessment (HIA)と呼ばれる手法が積極的に用いられている。HIAとは、政策・制度・事業の企画段階において、提案された政策・制度が国民・地域住民に与える健康影響を包括的に評価し、政策の計画・決定に寄与する一連のプロセスである。本研究では、諸外国におけるHIAの取り組みについて情報を整理し、国内でHIA導入を進めるための包括的研究を実施する。本研究は3カ年計画の1年目として、諸外国におけるHIAに関する情報収集・分析を目的とした。
研究方法
1. 諸外国におけるHIAの取り組み状況についてインターネットを活用して情報を収集した。さらにHIAへの取り組みが活発な英国のトレーニングセミナーを視察し情報を集めるとともに、専門家のインタビューを実施した。
2. 国内事例についてのHIA適用の検討のため、パイロットスタディの実施を開始した。パイロットケースには研究時点で政策として検討中であった「新しい自律的な労働時間制度」が選ばれた。HIAの代表的なガイドラインであるMerseyside modelを参考にしながら、rapid HIAと呼ばれる手法を用いた。
結果と考察
・ HIAに関する諸外国における取り組み状況についてはインターネット上において多く入手することが可能であった。特にWHOおよび英国IMPACTのサイトでは様々な領域におけるHIAの実施例についての報告書などを掲載したデータベースが提供されていた。さらにHIAの実施を支援するための各種ガイドラインについても収集し、比較検討した。

・ The Merseyside GuidelinesおよびEPHIAは汎用性が高く、現時点では最も標準的なガイドラインとして考えられた。

・ EPHIAはその開発経緯および有効性の評価について詳細な報告が公開されており、今後国内版のHIAガイドラインを開発する際の重要な基礎資料になり得る。

・ パイロットスタディとして実施を開始した「新しい自律的な労働時間制度」に関するHIAでは、政策に関する健康影響の評価という点においては、既存の各種ガイドラインの手法が有用であることが示された。一方、政策の意思決定への関与という点においては困難であった。
結論
諸外国のHIAへの取り組みについての情報収集は達成した。今後は、ガイドラインの開発およびパイロットスタディに取り組む予定である。

公開日・更新日

公開日
2007-06-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-10-31
更新日
-