文献情報
文献番号
200601011A
報告書区分
総括
研究課題名
市町村合併に伴う住民参加型の日常生活圏域の設定と保健福祉サービスの提供体制のあり方に関する研究
課題番号
H16-政策-一般-026
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
平野 かよ子(国立保健医療科学院公衆衛生看護部)
研究分担者(所属機関)
- 井下理(慶応義塾大学総合政策学部)
- 渡戸一郎(明星大学人文学部)
- 守山正樹(福岡大学医学部)
- 末永カツ子(東北大学医学部)
- 山田和子(和歌山県立医科大学保健看護学部)
- 島田美喜(慈恵会医科大学医学部)
- 鳩野洋子(国立保健医療科学院公衆衛生看護部)
- 奥田博子(国立保健医療科学院公衆衛生看護部)
- 福島富士子(国立保健医療科学院公衆衛生看護部)
- 中板育美(国立保健医療科学院公衆衛生看護部)
- 米澤洋美(国立保健医療科学院公衆衛生看護部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
9,590,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
市町村合併した市町村の合併が保健福祉従事者と住民の生活に及ぼす影響と、住民の日常生活圏域や保健福祉サービスの利用について、ライフステージごとと地域特性を考慮して把握し、住民の主体的活動や行政と住民との協働が促進され、地域を生活の拠点とする住民に良質なサービスが提供されるための必要な要件を明らかにすることを目的とした。
研究方法
平成18年度は、合併後2年以上経過した市町村と平成17年度の時点で今後合併予定であった全国
177市町村に合併による変化について郵送調査を実施し、加えて、38名の高齢者(元気・虚弱)、108名の乳幼児を持つ母親、24名の障害者を対象として聞き取り調査を行い、日常生活圏域と保健福祉サービスの利用状況を明らかにした。
177市町村に合併による変化について郵送調査を実施し、加えて、38名の高齢者(元気・虚弱)、108名の乳幼児を持つ母親、24名の障害者を対象として聞き取り調査を行い、日常生活圏域と保健福祉サービスの利用状況を明らかにした。
結果と考察
回収率は67.2%であった。全般的に合併による変化について、保健福祉従事者はほとんどないと捉えているが、概して高齢者や障害者はネガティブに捉えていた。
聞き取り調査から、住民が身近な生活の場において利用している施設・拠点は自治会や公民館等であり、また、これらは住民の自主活動の場としても利用され、地域の高齢者の居場所であることが明らかになった。母親は子どもと公園や育児サークル等の身近な遊び場へ、また実家へ出かけていた。障害者の日常生活圏域は行政やNPOが行う通所施設に限定されがちであった。乳幼児を持つ母親の日常的な行動範囲は平均で半径11.6kmであり、健康な高齢者の日常的な行動範囲は5.0 km、虚弱な高齢者は3.9 km、障害者は2.9 kmの順であった。しかし、この距離は地域特性によりばらつくことが示された。
聞き取り調査から、住民が身近な生活の場において利用している施設・拠点は自治会や公民館等であり、また、これらは住民の自主活動の場としても利用され、地域の高齢者の居場所であることが明らかになった。母親は子どもと公園や育児サークル等の身近な遊び場へ、また実家へ出かけていた。障害者の日常生活圏域は行政やNPOが行う通所施設に限定されがちであった。乳幼児を持つ母親の日常的な行動範囲は平均で半径11.6kmであり、健康な高齢者の日常的な行動範囲は5.0 km、虚弱な高齢者は3.9 km、障害者は2.9 kmの順であった。しかし、この距離は地域特性によりばらつくことが示された。
結論
今後の住民参加型の保健福祉サービスの提供には、高齢者の日常生活圏域や町内会・自治会等の自主的な活動拠点を把握し、住民の既存の交流拠点を活用し、また、生活必需品の購入の動線を考慮し、住民の利便性を高めることが重要と考えられた.
これらの調査結果を基にして、3年間の総括として、高齢者、障害者、乳幼児を持つ母親等地域を生活基盤とする住民の日常生活圏域を考慮し、住民参加を促す質の高い保健福祉事業を推進させるポイントについてビジュアル化した「住民の日常生活圏域を考慮した保健福祉事業のしおり」を作成した。
これらの調査結果を基にして、3年間の総括として、高齢者、障害者、乳幼児を持つ母親等地域を生活基盤とする住民の日常生活圏域を考慮し、住民参加を促す質の高い保健福祉事業を推進させるポイントについてビジュアル化した「住民の日常生活圏域を考慮した保健福祉事業のしおり」を作成した。
公開日・更新日
公開日
2007-04-11
更新日
-