文献情報
文献番号
200625003A
報告書区分
総括
研究課題名
動機付けの差による生活習慣における行動変容の継続性に関する研究―歩数確保による運動習慣の形成及び継続性に向けた新たなインセンティブ構築の提案
課題番号
H18-糖尿病等-一般-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
井形 昭弘(名古屋学芸大学)
研究分担者(所属機関)
- 野田 光彦(国立国際医療センター)
- 田中 滋(慶應義塾大学大学院経営管理研究科)
- 佐々木 敏(国立健康・栄養研究所)
- 足達 淑子(日本予防医学協会)
- 松崎 道男(虎の門病院)
- 石田 浩之(慶應義塾大学病院)
- 三井 博行(エーザイ株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 糖尿病戦略等研究事業
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
14,279,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
身体活動を増やすことは、２型糖尿病に代表される､生活習慣病の発症を阻止・遅延させ､虚血性心疾患や脳血管障害などの動脈硬化性疾患の発症率を低下させるために重要である。運動習慣の形成及び継続は必ずしも簡単なものではなく、これを可能とする様々な手法開発が望まれている。本研究の目的は、新たなインセンティブの提案「ウォーキングマイレージ（Walking Mileage）」が毎日一定以上の歩数を確保し、結果として健康的な生活習慣(運動習慣)の形成に有効であるのか、実用的であるか、また実際の健康維持に結びつくのかを評価検証するものである。
研究方法
本年度は研究計画を本格的に進めるために、エーザイ株式会社の協力によりパイロットスタディをたちあげ、具体的には、歩数データ取り込みのための情報の基盤整備、実証実験の参加募集・応募・開始、ベースラインデータの整備、ウォーキングの継続性を目指した仕組みの構築、及び「一歩の健康効果」の価値評価、等について策定、検討を行なった。
結果と考察
毎日一定以上の歩数を確保するためのルールや入力忘れに対する注意喚起の介入を実行する対象者を素早く検索できるような仕組みを構築した。この仕組みを使い、11月1日より1234名で実証実験を開始すると共に、問題点等については引続き専門家により改善修正を行うこととした。さらに、ウォーキングマイレージ実施の経済的な根拠を明らかにするため、糖尿病を対象疾病として、「1歩の健康効果」の価値算定のための医療費シミュレーションモデルを検討し、現在も継続中である。
結論
パイロットスタディを平成18年11月1日より1234名の参加協力者を得てスタートさせ、本試験にむけての課題に対しての取組みを行い基盤の整備が出来た。また、ウォーキングマイレージの実施へのfeasibilityについての成果を、新聞、雑誌・紙への掲載や、シンポジウム等により発表し、極めて高い評価を得ることが出来た。その結果、２年目（平成19年度）ではエーザイ株式会社、日本通運健康保険組合、宇部興産株式会社等をフィールドに、有効性の検討を行なうと共に、今後は地域における実証研究（神戸市等）や糖尿病患者を対象とした医療機関でも検討を開始する予定である。
公開日・更新日
公開日
2008-08-28
更新日
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