文献情報
文献番号
200618001A
報告書区分
総括
研究課題名
局所限局非小細胞肺がんの集学的治療に関する研究(若手医師・協力者活用に要する研究)
課題番号
H16-チーム(がん)-若手-015
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 治文(東京医科大学病院外科学第一講座)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 臨床研究基盤整備推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
17,550,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
病理病期(p-stage)IB-III期非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術後化学療法の安全性および有用性を検証し、本邦における術後化学療法レジメンの妥当性を検討する。
研究方法
本研究は、病理病期ⅠB-ⅢA期非小細胞肺癌と診断された症例を対象に術後の標準的化学療法レジメンを決定する比較試験を行う。術後4週から8週までの間に症例登録を行って、UFT 250mg/m2の内服治療を開始し、2年間継続する治療法(標準的治療群)、もしくは欧米で評価されたプラチナ化合物を含む2剤併用化学療法の一つであるカルボプラチンとパクリタキセル(CP療法)を4コース行う治療法(試験治療群)に無作為に割り付けて、それらの有効性を比較、検証する。エンドポイントは生存率もしくは無再発生存割合。予定登録は1群300例、合計600例; 2年間で症例集積を行い、集積終了時点で中間解析を行う。5年生存率を算定できる時点で最終解析を行う。
結果と考察
本研究では、プラチナ製剤を含む2剤併用療法のレジメンとして、本邦で最も汎用されているという理由からCP療法の認容性、安全性に関わる臨床第Ⅱ相試験を個別研究として行う一方で、臨床第Ⅲ相試験のデザインと実施計画書の作成を検討した。個別研究の結果からCP療法の投与量はfull-doseよりも15%減量したものを採択すべきであることが示唆された。当初計画した本臨床第Ⅲ相試験の対象は、完全切除された病理病期ⅠB-ⅢA期非小細胞肺癌例としていた。シスプラチンを含む2剤併用療法による術後化学療法のメタアナリシス: LACEで病期によっては化学療法のリスクがベネフィットを上回る可能性が示唆されたことからIB期とII、III期に分けて試験計画する方針とした。IB期ではテガフール・ウラシル配合剤(UFT)投与群を対照としてテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(S-1)の有用性を評価する試験を、II-IIIA期に対しては、プラチナ製剤を含む2剤併用療法投与群を対照として経口剤の維持療法としての上乗せ効果を検証する試験を検討中である。この試験の結果は非小細胞肺癌の術後標準的治療を確立するものであり、一般診療に情報還元するとともに、今後の臨床試験のデザインの礎となると予想される。
結論
本研究は、2007年3月末現在試験実施計画書作成中であり、本研究の結論は得られていない。
公開日・更新日
公開日
2008-04-09
更新日
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