文献情報
文献番号
200614030A
報告書区分
総括
研究課題名
食中毒細菌の新規迅速検査法の開発とその評価法に関する研究
課題番号
H16-創薬-035
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 由起子(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
- 池戸 正成(栄研化学株式会社)
- 田中 啓子(株式会社日清製粉グループ本社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
2,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
食品からの食中毒細菌の迅速検出を目的に、LAMP法など遺伝子増幅法を含めた検出法を検討する。今年度は食品の成分や加工工程の特徴をふまえた具体的な方法を検討することを目的とした。また、食品の一般生菌数の迅速測定法を検討した。
研究方法
1.食品検体の特性に合った検査システムの開発と評価:黄色ブドウ球菌接種牛乳でのアクロモペプチダーゼ処理および洗浄効果を検討した。また、低温殺菌である63℃ 30分とHTST殺菌である72℃15秒で加熱処理の影響を検討した。
2.遺伝子検出法の検討と応用に関する技術の確立: LAMP法について、Ex-F法、アルカリ熱抽出法および市販の核酸抽出試薬キットを各種食品でDNA抽出効果を検討した。
3.食品検体での迅速検査法の実践と評価: フローサイトメータである全自動細胞解析装置 Cytomics FC500(BECKMAN COULTER)を使用し、惣菜類から一般生菌数として検出される細菌叢を測定した。
2.遺伝子検出法の検討と応用に関する技術の確立: LAMP法について、Ex-F法、アルカリ熱抽出法および市販の核酸抽出試薬キットを各種食品でDNA抽出効果を検討した。
3.食品検体での迅速検査法の実践と評価: フローサイトメータである全自動細胞解析装置 Cytomics FC500(BECKMAN COULTER)を使用し、惣菜類から一般生菌数として検出される細菌叢を測定した。
結果と考察
1.食品検体の特性に合った検査システムの開発と評価: 牛乳中の黄色ブドウ球菌の遺伝子検査について厳しいDNA抽出洗浄工程を取り入れた結果、10~1 cfu/mlの感度で黄色ブドウ球菌を検出することができた。また牛乳の加熱殺菌がDNAの損失を伴う溶菌を引き起こすことことが明らかになった。
2.遺伝子検出法の検討と応用に関する技術の確立:遺伝子抽出試薬キットの間でも食材の種類により影響の回避効果が異なっていた。アルカリ熱抽出法のように中和処理をする方がより増幅反応に適していることが考えられた。
3.食品検体での迅速検査法の実践と評価: 惣菜類から一般生菌数として検出される細菌叢のそれぞれについて、FCMによる測定により細菌毎の定量が可能であることが確認された。
2.遺伝子検出法の検討と応用に関する技術の確立:遺伝子抽出試薬キットの間でも食材の種類により影響の回避効果が異なっていた。アルカリ熱抽出法のように中和処理をする方がより増幅反応に適していることが考えられた。
3.食品検体での迅速検査法の実践と評価: 惣菜類から一般生菌数として検出される細菌叢のそれぞれについて、FCMによる測定により細菌毎の定量が可能であることが確認された。
結論
食品検体の特性に合った検査システムの開発と評価の目的では、牛乳での適正なDNA抽出法を見いだし、また牛乳の加熱殺菌がDNAの損失を伴う溶菌を引き起こすことことから定量にこれを考慮する必要があることが明らかになった。また、LAMP反応を用いる場合の血液成分や脂肪分が多く反応に阻害を及ぼす食材の効果的な前処理が明らかになった。さらに、食品検体での迅速検査法の実践と評価では、惣菜類由来の細菌をモデル細菌とし、これら細菌を衛生指標菌と前提したFCMによる測定から、それぞれの細菌に対し定量可能であることを確認した。
公開日・更新日
公開日
2007-04-03
更新日
-