新型インフルエンザ対応ワクチンの効果測定法及び品質管理に関する研究

文献情報

文献番号
200606044A
報告書区分
総括
研究課題名
新型インフルエンザ対応ワクチンの効果測定法及び品質管理に関する研究
課題番号
H18-特別-024
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
板村 繁之(国立感染症研究所ウイルス第3部)
研究分担者(所属機関)
  • 堀内 善信(国立感染症研究所細菌第2部)
  • 横田 恭子(国立感染症研究所免疫部)
  • 笠井 道之(国立感染症研究所血液・安全性研究部)
  • 福家 功((財)阪大微生物病研究会観音寺研究所)
  • 細井 和男(デンカ生研株式会社)
  • 来海 和彦(財団法人 化学及血清療法研究所)
  • 渡辺 隆雄(北里研究所 生物製剤研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
19,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1) 新型インフルエンザ対応のワクチン開発をワクチンの品質管理及びワクチン効果の指標となる抗体応答の測定方法などの側面から支援して臨床試験を円滑に進める。
2) ワクチンの品質保証を行うための品質管理の研究を実施して安全性が高く高品質のワクチン供給を可能にする。
3) 世界的に流行している現在の高病原性鳥インフルエンザウイルス(A/H5N1)には遺伝的にも抗原的にも異なるいくつかのグループが存在しているが、どのウイルス株をワクチンとしたときにより多くの異なるウイルス株のグループに対応できるのかについても検討し、より効果的なワクチン株の選択についての知見を集める。
 以上のことを目的として研究を進めた。
研究方法
1) ワクチン効果を評価する方法として中和試験法について、陽性、陰性対照血清などを共通で導入して研究室間での試験成績の一致度、再現性について検討した。
2) ワクチンで誘導された中和抗体の交差反応性について解析した。
3) マウス白血球数減少毒性をウイルス株間およびウイルス蛋白量との比較を行い安全性に関する品質管理方法を検討した。
4) ワクチンの品質管理試験として物理化学試験であるたんぱく質含量測定法について、試験法による試験成績の一致度、再現性を検討した。
結果と考察
1) 中和試験について比較的高い一致した試験成績を得ることができた。
2) ワクチンで誘導された中和抗体の交差反応性について解析し、適切なワクチン株を選ぶための知見を得た。
3) インフルエンザ全粒子ワクチンのマウス白血球減少毒性はウイルス株やウイルス液のロットによらずウイルス蛋白含量に比例することが示唆され、ウイルス蛋白含量を管理することで高精度の管理が可能であると考えられる。
4) ワクチン原液については蛋白含量測定法として試験方法による大きな影響は少ないと判断されるが、小分け製品については方法、採取量による差異が生じる可能性があり、測定方法については充分な標準化が必要と思われる。
結論
新型インフルエンザ対応ワクチンの開発の上でワクチン効果判定のための抗体応答の測定方法や、ワクチンの品質保証のための品質管理試験の精度や再現性について一定の向上を行うことができた。

公開日・更新日

公開日
2009-04-21
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200606044C