地域及び病院における医療関係者の有効活用に資する研究

文献情報

文献番号
200606036A
報告書区分
総括
研究課題名
地域及び病院における医療関係者の有効活用に資する研究
課題番号
H18-特別-指定-040
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
武林 亨(慶応義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤敏彦(北里大学医学部 衛生学公衆衛生学教室)
  • 種田憲一郎(国立保健医療科学院 政策科学部)
  • 朝倉敬子(慶応義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
10,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
既存資料の活用による医師の効果的な配置に関する指標の検討、病院における医師の労働環境、仕事の負荷・負担感等に関する調査手法の確立と時間断面調査の実施を行った。
研究方法
既存資料の活用による医師の効果的な配置に関する指標の検討については、とくに小児科、産婦人科について、需要と供給にわけて都道府県別にデータを収集・整理して解析した。人口動態調査、患者調査、医療施設調査等の統計調結果を使用し、人的医療資源の配置、物的医療資源の配置、患者発生状況、診療アウトカムと医療資源の関連について解析した。病院における医師の労働環境、仕事の負荷・負担感等に関する調査については、これらを客観的に評価し定量化するため、医師における他計式タイムスタディの方法論の確立を目的に、調査協力可能な医療機関2施設において他計式1分毎24時間タイムスタディを行った。さらに、医師の職務満足度とその背景にある労働環境との関連に関する文献のレビューを行い、職務満足度の背景にある要因、職務満足度の健康影響、医師を対象とした職務満足度に関する点について評価を行い、また日本の現状について、学会等のHPを含めて情報を収集・整理した。
結果と考察
指標の検討では、都道府県レベルの比較で医療資源の配置にばらつきがあった。診療アウトカムと医療資源との間には、全体としては統計学的に有意な関連は観察されなかったが、比較的人口規模の小さい地域では、同レベルの診療アウトカムに対する医療資源数にばらつきが認められた。医師における他計式タイムスタディでは、医師に共通する業務内容や各診療科共通の診療行為に加え、小分類で診療科特有の診療行為を加えることが必要であったが、看護領域におけるタイムスタディの応用等により、医師における他計式タイムスタディの方法論が確立できた。医師における職務満足度に関する文献のレビューでは、職務満足度について5件法や6件法などにて問うている文献が多かったが、職務満足度の背景にあるものとして医療制度、キャリア、自分や家族の時間、給与等の考慮が少なく今後さらなる調査が必要であると考えられた。
結論
既存資料の活用による医師の効果的な配置に関する指標の検討、病院における医師の労働環境、仕事の負荷・負担感等に関する調査のいずれも、本年度の研究により、その実施に関する基礎的な研究手法が確立された。この成果に基づき、より詳細な調査研究が必要である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200606036C

成果

専門的・学術的観点からの成果
人的資源としての医師の配置について、既存の統計資料を活用した指標の作成について、都道府県レベルでの評価を行ったところ、医療資源の分布のばらつきに加え、診療アウトカムと医療資源との間には、全体としては統計学的に有意な関連は観察されなかったが、比較的人口規模の小さい地域では、同レベルの診療アウトカムに対する医療資源数にばらつきが認められた。
臨床的観点からの成果
医師の職務満足度とその背景にある労働環境との関連に関して、PubMedをリソースとして12件の文献レビューを実施し、職務満足度の背景にある要因、職務満足度の健康影響、医師を対象とした職務満足度について検討した。その調査方法について整理するとともに、職務満足度の背景にあるものとして医療制度、キャリア、自分や家族の時間、給与などへの考慮が少なく点が問題であることが明らかとなった。
ガイドライン等の開発
医師の労働環境、労働条件を客観的に評価し、定量化するためには、必要な勤務時間と連携した勤務内容分析、いわゆるタイムスタディの実施が不可欠であるが、文献調査を行ったところ、医師においては、他計式タイムスタディの報告がほとんどなく、その方法論の確立が必要であると判断された。そこで、医師の業務分類の標準フォーマットを作成するなどを行うことにより、同僚看護師を観察者とする他計式1分毎24時間タイムスタディの方法論を確立した。
その他行政的観点からの成果
地域及び病院における医療関係者、特に医師の有効活用に資する指標ならびに現場医師の労働環境を客観的に評価するタイムスタディの方法論の確立について、行政の担当課へ報告中である。
その他のインパクト
特記すべきことなし。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-