今後の建築物の維持管理のあり方に関する課題等に関する研究

文献情報

文献番号
200501237A
報告書区分
総括
研究課題名
今後の建築物の維持管理のあり方に関する課題等に関する研究
課題番号
H17-健康-022
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
小畑 美知夫(財団法人ビル管理教育センター 調査研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 池田 耕一(国立保健医療科学院 建築衛生部)
  • 相澤 好治(北里大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療施設や集合住宅等における居住環境の維持管理に関する検討を行うにあたっての方向性を取りまとめることを目的とした。建築物環境衛生管理技術者の従事実態等を調査し、実態の把握と建築物環境衛生管理技術者らの資質が向上するよう、今後の本格的な研究課題の方向性を探るための実現性の可能性調査(Feasibility Study)として実施した。
研究方法
医療施設の居住環境に関する現状の実態調査として、東京近郊の9病院の病室、待合室、事務室において室内空気環境調査および施設の管理状況に関する聞き取り調査を実施した。
また、諸外国の各種指針や調査例を調査し、整理・解析を実施した。集合住宅における居住環境に関する現状の問題点を解明するため、当該住宅の管理人等を対象に現状の管理状況等に関するアンケートを実施し、実態把握および問題点の抽出を行った。また、管理技術者の業務従事等の実態に関する現状等を調査するため、全国5都市の特定建築物に選任されている管理技術者を対象に、管理形態や意識に関するアンケート実施し、従事実態や問題点を解明し、管理技術者のあり方について検討を行った。
結果と考察
医療施設の実態調査では相対湿度が全室で基準値を下回っていた。古い施設では空調機の能力不足等でCO2が高い傾向であった。その他の設備でも維持管理等の問題点は多く、医療施設の管理状況は特定建築物に比べてルーズであると推察された。集合住宅に関する調査では139件の回答を得た。共有部分の苦情はあまりなく、衛生面の維持管理については問題点があまりないようであった。しかし、ねずみ・昆虫等の防除実施状況等をみても防止対策より問題が生じてから対応との姿勢が伺えた。管理技術者に関する調査では85件の人から回答を得た。今回の調査ではビルメン会社の雇用されている人が多かった。問題点として「衛生管理以外の業務が多い」や「管理技術者の権限が不十分」、「建築物が大きく、管理技術者1名では管理困難」等の意見があったが、「問題ない」との回答が最も多かった。
結論
医療施設や集合住宅では全般的には良好な管理がなされていたが、良好とは言い難い項目もあり、施設に応じた管理規準の設定と監視体制の確立が必要であることが示された。建築物の所有と経営が分離する等の変貌を遂げてきており、更に詳細な管理技術者の全体像の把握やビル経営者の衛生管理への認識・評価しているのか等の追跡調査が必要である。

公開日・更新日

公開日
2006-04-28
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501237C