給水末端における水質および給水装置・用具機能の異常監視と管理に関する研究

文献情報

文献番号
200501225A
報告書区分
総括
研究課題名
給水末端における水質および給水装置・用具機能の異常監視と管理に関する研究
課題番号
H17-健康-024
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
中村 文雄(財団法人給水工事技術振興財団)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤雅喜(国立保険医療科学院水道計画室)
  • 杉山俊幸(山梨大学工学部)
  • 松井佳彦(北海道大学大学院)
  • 長岡 裕(武蔵工業大学工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在までに、給水末端での水質劣化や漏水の発生が数多く報告されており、また、小規模貯水槽水道等においては、水質検査やその維持管理の実行率が必ずしも十分でない状況にある。このような状況を改善する為に、本研究では、給水末端の水質・衛生管理および施設管理徹底の実現を目的として、1;給水末端における水質監視方法、2;給水装置・用具の機能不全検知方法、および、3;給水末端システムの維持管理・リスク管理方法の研究を行う。
研究方法
学識者、水道事業体および民間企業からなる「給水末端における水質および給水装置・用具機能の異常監視と管理に関する研究委員会」を設置し、この委員会において、研究計画その他に関して審議・検討を重ねた上で研究を実施している。
結果と考察
平成17年度の研究の結果、以下の結論が導かれた。
「給水末端における水質監視手法の検討」では、(1)濁度変化率に基づく4指標により実験条件として与えた全ての水質異常を検出することができたこと、(2)実際値と推定値に基づく水道水質の変動幅と閾値設定の可能性のあることが明らかになった。一方、「給水装置・用具の機能不全監視方法」に関する研究では、(3)給水管近傍の「振動」と「音」のデータを併せ扱うことにより、ファジィ判定システムによる水撃作用の判定精度を上げ得ると考えられた。また、(4)小流量の条件における損失水頭係数を常時モニタリングすることにより、漏水の検出が可能であることが示唆された。さらに、(5)単式バネ式逆止弁を対象として実験・解析した結果、通常設置下での逆止弁では、弁差圧と流量が検知可能であれば、両者の組合せによって器具の状況をある程度まで把握することが可能であると考えられた。また、弁体変位の検知方法として渦電流式変位センサーを用いた試作品を作成した。 さらに、「給水末端システムの管理方法」に関する研究では、(6) 給水末端で得られる情報により、水質・用具の異常判定や異常予測実現の可能性が高いと考えられた。
結論
 以上のように、着実な成果が得られつつあるが、今後、これら研究を更に発展させることにより、給水末端の水質・衛生管理および施設管理徹底の実現が可能となり、安全性の高い給水システムの構築と、より確実な給水システムの維持管理・リスク管理が可能となるものと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2006-04-28
更新日
-