健康づくりのための個々人の身体状況に応じた適切な食事摂取に関する栄養学的研究

文献情報

文献番号
200501219A
報告書区分
総括
研究課題名
健康づくりのための個々人の身体状況に応じた適切な食事摂取に関する栄養学的研究
課題番号
H16-健康-021
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 敏(独立行政法人国立健康・栄養研究所栄養所要量策定企画・運営担当)
研究分担者(所属機関)
  • 内藤 義彦(武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科)
  • 赤川 安正(広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻顎口腔頚部医科学講座先端歯科補綴学研究室)
  • 門脇 孝(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
32,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2年目である本年度は、適正な食事摂取方法を個々人に提案し、指導に用いるための一連のシステムの構築をめざし、以下のような研究を実施した。
研究方法
本年度に実施した各個研究は次のとおりである。研究1:小中学校における食事の個人結果票の活用状況に関する調査。研究2:地域住民を対象とした成人版簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)による食事調査及び食事指導。研究3:地域在住健常高齢者における咬合と栄養摂取との関係の検討。研究4:栄養関連学科女子学生を対象とした食品摂取パターンと機能性便秘との関連の検討。研究5:栄養関連学科女子学生を対象とした外食・中食利用頻度と栄養素等摂取状況との関連の検討。
結果と考察
研究1:各学校に対して返却したBDHQの個人結果票は、その多くが学級担任を通して児童・生徒もしくはその保護者に返却された。児童・生徒に対して学校担任が結果の見方について説明しながら返却し、それに合わせて健康や栄養についての話題を取り上げたり、各々の問題点について考えさせたりしており、児童・生徒の栄養・生活指導に有効に利用されたと推測できた。研究2:栄養素摂取量および食品群別摂取量の結果を検討したところ、食塩の過剰摂取と食物繊維の不足が観察された。研究3:地域在住健常高齢者においては、残存歯もしくは義歯により咬合の確保されている者では、栄養摂取状況に有意な差はなかったものの、身体計測結果より脂肪の蓄積がやや少ない傾向がうかがわれた。研究4:種々の交絡因子で調整後、食品摂取パターンと機能性便秘の罹患率との関連を検討したところ、めし、みそ汁、大豆製品が多く、パン類および菓子類の摂取量が少ない「伝統的日本食型」の傾向が強いほど、機能性便秘の罹患率が有意に低い傾向が認められた。研究5:外食利用頻度が多いと、カリウム、マグネシウム、鉄、銅、ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンC、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維と総食物繊維の摂取量が、2、3のグループと比較すると、5(最高値)のグループで有意に低い結果となった。また、その他の野菜、藻類が、2のグループで有意に低かった。
結論
適正な食事摂取方法を個々人に提案し、指導に用いるための一連のシステムの構築をめざし、さらなる研究を進めていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2015-11-20
更新日
-