温泉利用と生活・運動指導を組み合わせた総合的健康教育に関する実証的研究

文献情報

文献番号
200501182A
報告書区分
総括
研究課題名
温泉利用と生活・運動指導を組み合わせた総合的健康教育に関する実証的研究
課題番号
H16-健康-019
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
上岡 洋晴(東京農業大学地域環境科学部教養分野身体教育学研究室)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,990,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

文献情報

文献番号
200501182B
報告書区分
総合
研究課題名
温泉利用と生活・運動指導を組み合わせた総合的健康教育に関する実証的研究
課題番号
H16-健康-019
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
上岡 洋晴(東京農業大学地域環境科学部教養分野身体教育学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 上馬場和夫(富山県国際健康プラザ・国際伝統医学センター)
  • 川野因(東京農業大学応用生物化学部栄養科学科)
  • 矢崎俊樹(日本健康開発財団)
  • 小松泰喜(東京厚生年金病院リハビリテーション科)
  • 佐藤陽治(学習院大学スポーツ・健康科学センター)
  • 江夏亜希子(女性のための統合ヘルスクリニック「イーク丸の内」)
  • 中村好一(自治医科大学公衆衛生学教室)
  • 岡田真平(身体教育医学研究所)
  • 高橋亮輔(身体教育医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は、温泉利用と生活・運動指導を組み合わせた総合的健康教育が、中高年者及び若年者の血液性状や体力、ADL、精神心理面等にどのような影響を及ぼすのかの一端を明らかにし、厚生労働行政として実現可能な啓発方法の基礎資料とすることを目的に、以下の8研究を実施した。
研究方法
分担研究1:中高年女性を対象とした温泉入浴と生活・運動指導による総合的健康教育:3ヶ月間と6ヶ月間介入の無作為化比較試験の1年後追跡、分担研究2:中高年女性を対象とした温泉利用と生活・運動指導に関する無作為化比較試験の2年後追跡、分担研究3:安全で有効性の高い温泉療法のための基礎的研究-ウエアラブル・コンピュータとユビキタス生体センサーを使った水中運動のモニタリング、分担研究4:大学生の免疫機能に与える集中総合型健康教育の介入効果に関する研究、分担研究5:温泉の治療と健康増進の効果に関する無作為化比較試験のシステマティック・レビュー、分担研究6:在宅高齢者に対する長期間の温泉入浴と生活・運動指導による効果、分担研究7:人工芒硝泉による足浴の自律神経活動に及ぼす影響、分担研究8:地域在住の中高年者に対する「生活・運動指導プログラム」の研究-温泉利用との最適な組み合わせ、であった。
結果と考察
週1回3ヶ月間の介入では、効果は1年後まで持続できなかったが、6ヶ月間介入ではヘモグロビンA1cや腰痛の軽減、気分などの効果の持続が見られた。健常な成人女性に対する合宿形式の短期間集中的な総合的健康教育で、3週間後にNK細胞活性、気分の改善が見られた。変形性膝関節症と関節リウマチの疼痛軽減効果の長期間の持続性が確かめられた。長期間(8年間)介入により、加齢にも関わらず、移動能力の維持が認められた。足浴において、温泉(人工)の方が水道水よりも、心臓への負担が低く、リラクゼーションの効果の時間が長く続く可能性が示された。生活・運動指導介入では、「日常の身体活動」の向上は認められたが、「心身の健康状態」については向上と変化なしで一貫した結論が出なかった。
結論
温泉利用と生活・運動指導を組み合わせる総合的健康教育は、比較的健康な中高年者の健康増進の効果の可能性は高いが、頻度の少ない介入の場合、効果の持続のために長期間の介入が必要である。また、温泉による除痛効果としては、運動器の疾患では確かで、長期間の持続が認められた。

公開日・更新日

公開日
2006-04-18
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
200501182C

成果

専門的・学術的観点からの成果
健康増進に温泉と生活・運動指導を組み合わせて実施する場合、頻度の少ない介入(週1回程度)では長期間実施しないと効果の持続が困難であることを無作為化比較試験により明らかにした。
臨床的観点からの成果
温泉による運動器の疼痛軽減効果があることを、無作為化比較試験のシステマティック・レビューから明らかにすることができた。
ガイドライン等の開発
現段階ではなし。
その他行政的観点からの成果
全国温泉振興議員連盟第2回総会(平成14年10月、参議院会館)において、本研究の一部の進捗状況と期待される成果を報告した。
その他のインパクト
「社団法人民間活力開発機構の定期刊行物「みんかつ」に2回、当研究成果や方法論が取り上げられた。信濃毎日新聞において本研究の一部の成果が紹介された。

発表件数

原著論文(和文)
4件
原著論文(英文等)
2件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
4件
学会発表(国際学会等)
2件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
上岡洋晴、黒柳律雄、津谷喜一郎、他
温泉の治療と健康増進の効果に関するシステマティックレビュー
日本温泉気候物理医学会誌 , 69 (3) , 155-166  (2006)
原著論文2
上馬場和夫、許鳳浩,上岡洋晴、他
総合的な温泉療法の健康増進効果に関する研究
日本温泉気候物理医学会誌 , 69 (2) , 128-138  (2006)
原著論文3
Kamioka H, Nakamura Y, Yazaki T, et al.
Effectiveness of Comprehensive Health Education Combining Hot Spa Bathing and Lifestyle Education in Middle-aged and Elderly Women: One-Year Follow-Up on Randomized Controlled Trial of Three- and Six- month Interventions,
J Epidemiology , 16 (1) , 35-44  (2006)
原著論文4
Kamioka H, Nakamura Y, Yazaki T, et al.
Effectiveness of Comprehensive Health Education Combining Hot Spa Bathing and Lifestyle Education in Middle-aged and Elderly Women: Randomized Controlled Trial of Three- and Six- month Interventions,
J Jpn Assoc Phy Med Balneol Climatol , 67 (4) , 202-214  (2004)
原著論文5
佐藤陽治、上岡洋晴、加藤浩人、他
大学生の健康に与える集中総合型健康教育の介入効果に関する研究
学習院大学スポーツ・健康科学センター紀要 , 13 (1) , 31-46  (2005)
原著論文6
上岡洋晴、岡田真平、矢崎俊樹、他
温泉利用と生活・運動指導を組み合わせた総合的健康教育の有効性に関する研究
日本温泉気候物理医学会誌 , 66 (4) , 239-248  (2003)

公開日・更新日

公開日
2015-11-20
更新日
-