文献情報
文献番号
200501127A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関受診前の一般用医薬品の使用実態に関する調査
課題番号
H17-医薬-081
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
望月 眞弓(北里大学薬学部)
研究分担者(所属機関)
- 橋口 正行(北里大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
感冒症状、消化器症状、頭痛のいずれかを訴え受診した患者において、受診前の一般用医薬品(OTC薬)の使用状況、使用前の添付文書等の確認状況ついてアンケート調査を行い、消費者のOTC薬購入と使用の実態を把握する。
研究方法
東京都内一般病院、大学病院において2005年10月-2006年3月に感冒症状、消化器症状、頭痛のいずれかを訴え受診し、本調査への同意が得られた15歳以上の者を対象とし、アンケートを実施した。アンケートの内容は、受診前のOTC薬の使用状況、使用前の添付文書等の確認状況、適正使用状況、傷病名等である。
結果と考察
499人(感冒症状258人、消化器症状132人、頭痛109人)について解析した結果、各症状に対する受診前のOTC薬使用率は平均52.5%であり、症状間で有意差は見られなかった。また、OTC薬使用者のうち使用前に添付文書を読んだ者の割合は、60.7%で、「効能効果」「用法用量」は約7割が読んでいたのに対して「相談すること」は17.2%が読んでいたにすぎなかった。適正使用状況については、OTC薬使用者の89.8%が定められた用法・用量を遵守、82.9%が服用日数を遵守したと回答した。なお、感冒症状の258人のうちインフルエンザと診断された者は95人であり、62.1%が受診前にOTC薬を使用していた。OTC薬使用者で消化器症状を訴えていた者の15%が消化性潰瘍、また、頭痛の40%が感冒またはインフルエンザの診断を受けていた。今回の調査から4割の消費者は添付文書を読まずにOTC薬を使用し、また、添付文書の「相談すること」がほとんど読まれていないこと、用法用量や服用日数を遵守していない者が1-2割存在することが明らかとなった。また、インフルエンザ患者の半数以上がOTC薬を使用していることなど、OTC薬使用における問題点が抽出された。これらの原因には、添付文書等の記載上の問題と消費者の認識不足などが考えられる。そこで、OTC薬使用における問題点を改善するためには、添付文書等の効果的な記載方法、消費者への添付文書等必読に関する啓発、OTC薬販売時の情報提供、受診勧奨の徹底などについて今後検討していく必要があると考える。
結論
OTC薬の適正な使用の促進のためには、添付文書の記載方法、販売者の対応、消費者の啓発などが検討課題として挙げられた。
公開日・更新日
公開日
2006-06-16
更新日
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